22日、東京・新宿FACEにて「しんじゅくLOVEりん」がおこなわれた。まずは闘うコメディアンズの噛み倒した前説からMCリングアナ・桃知みなみの呼び込みで美威獅鬼軍以外で選手入場式へ。選手を代表して中島がマイクを取って挨拶せんとすると北側ステージに美威獅鬼軍の皆さんが登場。赤井は「今日はKANNAさんの壮行パーティーに来ていただきありがとう」と語り出すと今日の対戦相手について清水から聞かされると「黒豚さんとおすべりネズミと顔に穴がいっぱいあいているレンコン娘さんね」と罵倒。黒音がデスボイスで言い返したが「汚い声は届かないの」と言うと清水には「愛さん、マイクを握って離さないけど、そんなにマイクが大事? マイク絡みで何かいいことあった?」とぶち込む。さらに赤井から挨拶を振られたKANNAはなぜかラップを披露。美威獅鬼軍が引き揚げると中島は「今日はKANNAの卒業試合の相手をします。初めてのエキシビションの相手がKANNAだったんですけど、全身全霊で送ってあげようじゃないけどぶつかりたいと思います」と意気込んだ。
第3試合は坂崎ユカvs辰巳リカのシングルマッチ。坂崎がロケットランチャーからカンチョー。怒った辰巳がフェースロックからスリーパー。さらにボディーシザースで追い詰める。そこから丸め込むもカウント2。辰巳はランニング・エンジェルアタック2連発。坂崎もドロップキックでやり返してカバーするもカウント2。坂崎は左脚攻めから監獄固め。そこから腕と頭部を固めていく。カバーしたがカウント2。アンクルホールドは辰巳がエスケープ。足にダメージの残る辰巳だったが串刺し攻撃をかわしてエンジェルアタック。さらにドラゴンスクリューで回して足4の字へ。坂崎はリバース。辰巳がロープに手を伸ばす。バックの取り合いから坂崎のSTFもロープに逃げられた。魔法少女ジャンプ狙いは辰巳が阻止してエプロンにいる坂崎へドラゴンスクリュー。リングに入れてもう一回転。坂崎はカウンターのドロップキック。そこから魔法少女スプラッシュへ。しかし辰巳が交わしてミサイルヒップ。これはカウント2止まり。坂崎のウラカンラナをカウント2で返した辰巳はカウンターのエンジェルアタック。ドラゴン式ツイスト・オブ・フェイトで勝利した。
試合後、坂崎がマイク。「リカに負けちゃった。一緒に入って一緒に練習して一緒に困難乗り越えて…。でもどこかリカには負けない自信があったのに…。リカか…。ワタシ、ダメだ。ワタシ、弱い。ワタシ、弱いから。ゴメン、修行してくるわ」坂崎は一方的にマイクをやめてバックステージへ。辰巳「応援ありがとうございました。ユカちゃんと私は音楽グループのオーディションで出会って、プロレスに魅せられて一緒に東京女子プロレスに入りたいって言って入って、辛い時も楽しい時もずっと一緒にいました。私は骨折で長く欠場して、リカちゃんはリングで強くなって、楽しんでプロレスやっている姿を近くで見てました。嬉しい反面とても悔しくて。プロレスラーとしての坂崎ユカにとてもあこがれてました。初めてシングルで闘って絶対負けたくないと思ってました。なんとか今日勝つことができて、ユカちゃんに勝ったことは自信につながりました。私はもっともっと上を目指したいって思います。ベルトに挑戦したいと思っています。だからこれからも辰巳リカをはじめ、東京女子プロレスを見逃さないでください」
【試合後のコメント】
坂崎 ダメなんです、私。ダメな子だから修行してきます。さようなら!
辰巳 ユカちゃんと一緒に練習生になって、どんどん経験を積んで、ベルトにも一度挑戦しているし、たくさんすごいものを近くで見てきたので、強敵だと思っていたんですが、どうしても負けたくなくて気持ちで勝てたと思います。
――ベルトへの挑戦を口にしたが。
辰巳 ユカちゃんに勝って自信がついたので、どんどん上を目指してベルトに挑戦したい気持ちでいっぱいです。
――坂崎選手の修行については?
辰巳 ユカちゃんの考えてることは誰にもわからないなと。今日リングの上で少しわかったと思ったんですけど、どこかへいってしまったので、見守っていたいと思います。
セミファイナルはKANNA卒業試合。KANNAは赤井沙希&清水愛との美威獅鬼軍で中島翔子&ミウラアカネ&黒音まほと対戦。KANNAは赤井、清水とともに『薔薇は美しく散る』で入場。コール時にKANNAには大量の黄色い紙テープが投げ込まれた。試合前にファン一同から用意された花束を桃知が代表して贈呈した。赤井「これから盛大なパーティーがおこなわれるわけですけど、アナタ方ご存知かしら? KANNAさんはこれからブロードウェイにミュージカルのお勉強にいくの…」清水「沙希様、KANNAさんは卒業後プロのラッパーになられるんです」赤井「オーケストラのほうね」清水「沙希様、ちょっとだけ違いますわ。ラッパーとはラップを刻む方々のことですわ」赤井「見たことも聞いたこともやったこともないわ」清水「KANNAさんが得意なのはフリースタイルという相手をディスりあうことですわ」赤井「ポンコツどもをラップでおディスしてさしあげなさい」KANNA「おすべりネズミ、滑り台が大好き! ミウラはコーラが大好き! 顔が穴だらけのレンコン、顔が貧相」場内が微妙な空気になると赤井がフランスパンで襲い掛かって試合スタート。KANNAが出てくるとまほの逆片エビで捕まったがロープに逃げる。ミウラが串刺しラリアットからボディープレスで続く。これは清水がカット。串刺し攻撃から中島のライダーキックをカウント2で返すとキャメルクラッチもロープに逃げる。KANNAは中島をリバースショルダー。エルボーの打ち合いからKANNAはドロップキック。清水が出てくると一気呵成に攻める。中島にはカミカゼを決めてダイビング・クロスボディー。これは中島が切り返す。ブレーンバスターは逆に清水が投げ返した。中島はライダーキックからミウラがショルダーアタックで続く。清水はミウラをコルバタで投げて赤井とタッチ。赤井がミドルキックで続く。エルボーの打ち合いから赤井がスリーパー。抜け出したミウラにサッキ―カッターを決めてバックブロー。KANNAが出てくると清水とともにツープラトン・ブレーンバスター。これはミウラが2人まとめて投げ返す。串刺し攻撃は清水が「ダメ」と身を呈て守ろうとする。それでも突っ込むミウラに赤井が身代わりに。ミウラは2人まとめて両腕ラリアット。マホがショルダーネックブリーカー。これは赤井と清水がカット。3対3のブレーンバスターは美威獅鬼軍が投げ切った。赤井が場外の中島にエプロンPK。清水がミウラにスイングDDT。KANNAがマホにエルボーからバックドロップ。場内「カンナ」コールの中、KANNAは串刺しスピアから万感の想いを込めたベルサイユの槍で勝利した。
試合後、赤井がマイク。赤井「勝利の薔薇、たくさん咲き誇ったわね。おめでとう。ボンクラ、どこにいらっしゃるの? 例の物を出しなさい」甲田代表が花束を持って駆けつける。赤井「わたくしたちの気持ちよ。KANNAさんの未来に栄光がありますように」桃知「東京女子プロレスの選手もリングに上がってきてください」選手を代表して中島からも花束を贈呈。ミウラからは寄せ書きの色紙も贈られた。KANNAは涙。山下「ワタシからも。試合前から泣きたくなかったけど…。本当にKANNAと過ごしてきた約4年ぐらい、いい思い出でした。KANNAがいないと私はここにいないし、いろいろあったけど、本当にありがとう。自分が決めた道は真っすぐ進んで欲しいです。私も頑張るのでKANNAも頑張って。お互い頑張ろう」山下とKANNAは抱擁。美威獅鬼軍も含めた全員で記念撮影。KANNA「全部言おうとしたことが飛んじゃいました。今まで一つのことを続けられたことはなくて、学校も中退して。周りも反対してたけど、今日みんな来てくれて。練習とかもいかなくなったりする面とかあって、それでもこういうふうにみんな私のためにいろいろやってくれて、お客さんも雨の中きてくれて。本当にプロレスやってなかったらこんなダメ人間、こんなに多くの人におめでとうとか言ってもらえなかったなって。新しい道でもプロレス以上に頑張って、いろいろ残して新しい人生をよくしていきたいと思います」KANNAの入場曲が流されると多くの黄色い紙テープが投げ込まれる。東京女子プロレス選手の一人ひとりと抱擁をかわしたKANNA。赤井&清水とも抱擁をかわし、最後はリング四方に一礼して別れを告げた。
【試合後のコメント】
赤井 今日はKANNAさんのご親族やファンの方やワタクシたちに見届けられて、今まで会ってきた中で一番美しかったわ。
KANNA ありがとうございます。
赤井 これからラッパー?
清水 ラッパーです。
赤井 ラッパーとしての道、ワタクシあまり存じ上げないので、そんな獣のような道にKANNAさんが旅立たれることは、ワタクシとしてはとても心配ですが、なんでしたっけ? 獣なんかに突き落とす的な?
清水 獅子です。
赤井 そう。とりあえず谷に落とす感じで、厳しく、美しく、そして強く、これからもKANNAさんらしく好きなように生きてください。
清水 KANNAさんはお美しく成長されて、KANNAさんがいたからこそ、この東京女子プロレスがあって、ここまで発展してこんなたくさんの人にお祝いしていただけるような存在になって。KANNAさんは自分自身の足で歩くことができますし、自分自身の力で輝くことができます。これからの道がとても明るいものになるようお祈りしております。
KANNA ありがとうございます。
赤井 それではKANNAさん、最後にメッセージを。
KANNA YO、YO! タワシー、タワシはもうすぐでシワシワー。チェケラー。
赤井 これからの成長が恐ろしい子だわ。それでは私たちはお暇するわ。
KANNA 今日たくさんの人が来てくれて、お父さんもお母さんも友達もみんな来てくれて。最後美威獅鬼軍で試合ができて、花束とか寄せ書きとかもらって送り出してもらえたのは本当にありがたいし、まだまだですけど、ラップのほうを頑張っていきたいと思います。
――プロレスは満足できた?
KANNA 満足できたかと言うと心残りの部分はベルトを獲れなかったり、ちょっとあります。
――東京女子とはどんな団体だった?
KANNA 一番は私を変えてくれたところだと思います。東京女子プロレスに入ってなかったら、人前で話すことも苦手なままだったと思うし、いろんなことを教えてくれた学校のようなものです。
その後、高木三四郎大社長が駆けつけ「頑張ったね。大きなケガもなく卒業ということで、第二の人生もラッパー頑張ってね。いつか東京女子のリング上でもラップを披露してください」と花束を贈呈し、労をねぎらった。
メインイベントはTOKYOプリンセス・オブ・プリンセス選手権試合。初代王者の山下実優は優宇を相手に3度目の防衛戦。序盤はグラウンドの攻防。下から腕十字を狙う優宇に山下が抵抗。三角絞めからのワキ固めを山下が抜け出す。山下は左腕を取ってヒザ蹴り。コブラクラッチからさらに投げて場内をどよめかせる。優宇はロープエスケープ。ハーフダウンの優宇の背中にドロップキックを放つ山下。5分経過、山下はローキック連打からロープに振ろうとするも優宇が拒否。山下がヒザで黙らせてロープに振るとミドルキック。優宇は起き上がり小法師の逆水平でやり返してケサ固め。ロープに逃げられると串刺し攻撃をかわしてコーナー逆水平。コーナー逆さ吊りにして串刺しエルボーへ。これはカウント2。山下はオクラホマスタンピードを回避してヒザ蹴り。水面蹴りから背中に拳を入れるとバックブリーカーへ。これはカウント2。ならばとヘッドシザースで絞っていく。優宇はエスケープ。優宇は逆水平。山下はミドルキックで応戦してラリー。山下が蹴倒すも優宇もやり返す。山下がソバットから走り込むも、優宇はこれをキャッチしてサイドバスター。コーナーに叩きつけてのオクラホマスタンピードもカウント2。逆水平で追い込むも、山下はバックスピンキック。さらにジャンピングラリアットへ。これもカウント2止まり。アティテュード・アジャストメントもカウント2で返される。バズソーキックからジャーマンで投げたが、優宇はカウント2で返してチキンウイング・アームロック。さらに腕十字を仕掛ける。クラッチをなんとか切ったがニアロープ。優宇がぶん投げて腕十字を狙うも山下がかわしてジャンピングハイ。ブラジリアンキックからクラッシュ・ラビットヒートを狙ったところで優宇が払い腰。片羽絞めでグイグイ絞っていく。胴絞めに移行すると木曽レフェリーが試合を止めた。
試合後、優宇にベルトが贈られる。意識を戻した山下は握手に応じたが拳で肩口を叩き、坂崎の肩を借りて引き揚げた。優宇「勝ちましたー! これは私のベルトです! 勝てないかもしれないってお客さんに言われた山下さんに勝つことができました。絶対王者の山下さんから獲ったベルトは私がずっと防衛していきたいと思います。もっと輝かせたいと思います!」そこへ辰巳がリングイン。辰巳「優宇、おめでとうございます。ワタシにはそのベルトが必要なんです。私はもっともっと強くなりたいし、カッコよくなりたい。そのベルトがあれば、もっともっと強く、カッコよくなれるんです! 辰巳リカが東京女子プロレスの未来を作って革命を起こします! ベルトに挑戦させてください!」優宇「リカさんの挑戦を受けて立ちます。でも、無敵と言われた山下さんから獲ったベルトは簡単に渡せません!」甲田「近々、タイトルマッチをおこないたいと思います。そして東京女子プロレス選手全員リング上がってください。改めましてご来場ありがとうございました。ここで皆さんと選手に発表があります。二回目の後楽園ホール決定! 2017年1月4日! イッテンヨンで後楽園やります! 今年は満員になりました。二回目を満員するほうがずっと難しいです。今から円陣を組むので自分が『いきまっ』と言ったら『しょーい!』と。(躊躇する東京女子勢に)これは必要なんですよ! みんなの心を一つに!(円陣を組むと)後楽園満員にするぞー! いきまっ」全員「しょーい!」優宇「来年の1月4日、後楽園ホールが決まりました! 東京女子プロレスが今年初めて後楽園ホールで試合をしてデビューしました。デビュー1周年です。必ずそこまで防衛します。そして何より満員にします!」
【試合後のコメント】
――こういう結果になったが。
山下 結果がすべてですね。今ここにベルトがないのが結果で、私が弱かったからベルトが私の傍から離れてしまったので。でも私は絶対に諦めてないし、あのベルトを絶対に獲り返したいと思っているし。私の中では今日負けて、また強くなる理由ができたのかなと思うので。私はどんだけ倒れても、何度でも立ち上がれる自信はあるので。またここからもっともっと自分をイジメぬいて強くなりたいと思います。必ず優宇をぶっ倒してやりたいと思いますね。
――優宇が負けなしでチャンピオンになったことについては?
山下 実際にすごいなということだけで。でも優宇もやってきたものがあるからこそ、ここまでこれたと思うので。それは私もわかるので。そのやってきたものが、負けた私はまだまだ足りなかったんだなと。でも本当に優宇はベルトを持ってからが大変なので。頑張ってとは言わないですけど、私がチャンスがあれば挑戦しにいきたいと思うので、それまで頑張っていけばいいんじゃないかと思います。
――優宇選手の強さは?
山下 最後飛んじゃったので、片羽絞めにいかれたらヤバいなと思っていたので。ここで負けるわけにはいかなかったし、ギブアップしたくなかったので、2回ぐらい立ち上がったんですけど、胴絞めにいかれた瞬間に。それでも耐えていたんですけど、気が付いたらもう優宇の腰にベルトがあって。私が負けたんだとそこで感じました。粘り強さというか、いい意味でしつこい、隙なく攻めてくるので、今の優宇は強いですね。
優宇 初めて(ベルトに)触ったんですけど、重たいですね。一緒に責任感が出ました。今この東京女子プロレスのベルトを巻いているということはここのチャンピオンであり、今までずっと山下さんのベルトを追ってきたのに、私はこれから追われる身になるという責任感が生まれました。
――実際に山下選手と対戦して。
優宇 研究はしてきたんですけど、やっぱりコブラの投げ技とか蹴りが強かったですね。
――何がなんでも片羽絞めを決めようと思った?
優宇 この片羽絞めが決まらなかったらダメだと思って、何がなんでも離さないという気持ちで最後まで絞めあげました。
――デビューして9ヵ月、負けなしでチャンピオンになったことは?
優宇 負けなしというのは気づいたらといいますか、周りの方に言われるほど負けなしにはこだわってなくて、やってきたら負けがなかった。それでベルトを獲ることができたということなんで。早いかもしれないですけど、頑張っていきたいですね。
――チャンピオンになったことは木村浩一郎さんにいい報告になる。
優宇 そうですね。木村さんは来月誕生日なんですけど、天国で見てくれているんじゃないかなと思います。たぶん私がプロレスラーになるって言ったときは最初反対されて、去年東京女子プロレスに入った時にまだ木村さんがいても絶対に反対されていたと思うんですけど、それはわかるんですけど、この姿を見たら笑いながら「いいんじゃない」「よかったんじゃない」と言ってくれている気がします。
――来年の1・4後楽園の開催も発表されました。
優宇 メチャクチャ嬉しいですね。後楽園ホールをできることが当たり前じゃないのと、プロレスラーでデビューして1年をまた同じ後楽園ホールで迎えられることを幸せに思って。必ずこのベルトを持って後楽園ホールのリングの上に立ちます。
――辰巳選手から挑戦表明があったが。
優宇 シングルではまだやったことがないと思うんですよ。動きが未知な感じなので気を抜かず試合をしたいなと思います。
――チャンピオンとして闘ってみたい選手は?
優宇 今日闘った山下選手とまた闘ってみたいんですけど、ミウラさんともこの間闘いましたし、中島さんもまた闘いたいです。
――エースとしてどんな団体にしたい?
優宇 東京女子はほかの女子団体とちょっと違うと思うんですよ。そのちょっと違うというのは選手の個性やいいところが出ている素敵な大好きな団体なんですけど、もっとキラキラしてプロレスってこんな楽しんだよというのを一人でも多くの人に見て感じて、笑顔で帰って翌日から元気にお仕事やってもらえるような団体にしたいです。
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