LIVEパートからスタート!
久々となる渋谷DESEOでのライブ&試合形式の興行。アイドル時代に出演したこともあるという難波小百合リングアナの前説から、ライブのトップバッターとして伊藤リスペクト軍団が登場。「セツナイロ」を披露し、MCでは伊藤麻希が「お仕事帰りの人も多いと思うんですけど」と平日ライブの定番的トークでアイドルキャリアを感じさせる。瑞希は「世界一可愛いのは?」「伊藤ちゃん!」のコール&レスポンスを要求。「投げてくるねぇ」とご満悦の伊藤。続いての曲は「1曲しかないので」とまたも「セツナイロ」。しかし1回目のコールに不満があるという伊藤は「コールはやらされるよりやれ」。そしてコールを煽りに煽って2回目の「セツナイロ」。ここではアイドルとしての得意技であるステージからの水噴射も。
2番目に登場したのは天満のどか。自身の入場曲「Existence」を歌い上げる。この曲はのどかが作詞したもの。さらに「もう一曲、作詞した曲があるんですよ」と妹の愛野ユキを呼び込み、作詞したユキの入場曲「Burnin'」を二人で。この曲はのどかがコーラスでも参加している。曲が終わると、姉妹のタッグチーム名を発表。「爆れつシスターズ」のタッグ名で10.8下北沢大会でのタッグ王座戦に臨むことになった。
続いては一夜限りの復活を果たした「婚活アイドル」婚勝軍。入場曲でもあったKANの「愛は勝つ」から「婚勝軍、ファイッ!」の気合い入れもタッグチーム時代のまま。そこからメドレー形式で「CAN YOU CELEBLATE?」(安室奈美恵)、「ハッピーサマーウェディング」(モーニング娘。)、そして最後にもう一度「愛は勝つ」を観客と大合唱。おそらく最初で最後になるであろう婚勝軍のライブは、婚勝軍コールで締めくくられた。
今回は欠場中の辰巳リカもライブで登場。歌ったのは入場曲「恋と革命」。試合用ガウンを脱ぐと歌詞を思わせる真っ白なワンピース姿に。また曲中、自らペンライトを振ってファンを煽る場面も。
ライブパート最後の登場はアップアップガールズ(プロレス)。まずは「アッパーキック!」を披露すると、続けて「みなさん一度は聴いたことがある曲だと思います」(ラク)と「アッパーキック!」へ。ここではフロアに降りてファンに囲まれる形でライブ。そして最後はおなじみ「アッパーキック!」。東京女子では通常1曲のみだが、今回はアイドルライブ出演時の形式で3連続。ここで告知コーナーとなり、今回が155回目の「アッパーキック!」だったことが告げられた。するとここで甲田哲也代表がステージに登場。サプライズ発表があると察したミウが大騒ぎする中、甲田代表が発表したのは初の単独ライブ。12月31日、大晦日に渋谷GARRETにて「プロレス女祭り」と題して開催される。またこの単独ライブから新コスチュームになること、新しいリングネームになること、そして新曲が披露されることに。ちなみに会場のキャパはDESEOの約3倍。「3倍の会場を4人の力だけで埋めなければいけません」と甲田代表。あまりの急展開にヒカリは思わず涙。ここであらためてミウから挨拶。「アプガのライブはこのパターン(サプライズ)が多いんですよ。森ティ(森咲樹)さんが出てきてっていうパターンが多くて。私たちいつも“今日かな? 出てきてくれるかな?”って言ってたんですけど、いつも来ないで終わって。アッパーキック、アッパーキック、アッパーキックで、みんな聴いてくれるのかなって。でもやっとこうやって出てきてくれて。私たちはアイドルとプロレスをやってるから時間がかかるんだな、同じ量やってる分時間がかかる、でもそれを言い訳にしたくないと思っていて。どっちもやってるから倍の時間かかるとか、そういう考え方はしたくないと思ってたんですけど。こうやって頑張って頑張って。アッパーキックしてアッパーキックしてアッパーキックして、やっていくたびにみなさん盛り上がってくれて。そして今回、3個も同時に……4個か、単独も含めて。同時に来るのは両立してるからとかいろいろあると思うんですけど、それを言い訳にせず、12月31日に向けて精いっぱい頑張っていきたいと思います! そして、3倍(のキャパ)ということで、ここにいるみなさんが3人、お友だちを連れてくればいいんですよ(メンバーから2人連れてきて合わせて3人でいいとツッコミ)。ここにいる全員の顔を覚えてるので、みなさんが来てくれなかったら悲しいので。私たちの原点がここになるように、もっともっと成長していきたいと思います!」。
これでライブパートは終了。舞台転換でフロア中心にマットスペースが完成、椅子が並べられて試合の準備が進む。その間の時間は難波リングアナがトークでつないでいった。
オープニングマッチ 10分一本勝負
先に入場したあずさは会場の柱に自身のフォトブック「ラストニュース」のポスターを貼って告知にいそしむ。しかし試合が始まるとグラウンドで優宇が圧倒。あずさはマイクを取り、優宇に「ずっと伝えたかったことがあるの」。それは自分が卒業するとあくポジションのことであり、それは「アイドルポジション」だという。ディズニー好きの優宇を「アイドルはミッキーみたいなものだから」と説得、アイドルポジションを継がせたいというあずさ。なんとなく納得した優宇に、先ほどライブで披露した「ハッピーサマーウェディング」の振り付けを伝授。そして優宇を躍らせている隙に横入リ式エビ固めで丸め込むが3カウントは奪えず。怒りの優宇はあずさを抱え上げると柱のポスターに打ち付けてから投げ捨て、チョップを連打。起き上がりこぼし式でも打ち込む。しかしアバランシュホールド狙いはあずさがディフェンスして十字架固めへ。これは優宇が耐えるも、あずさはトラースキック2連発で追撃。しかしフィニッシュまでは許さず、優宇が片羽絞めの体勢に入ったところであずさが高速タップ。試合が終わると木曽レフェリーがポスターを撤去。
第二試合 15分一本勝負
タッグ選手権試合の前哨戦でもあるこの試合だが、「渋谷だから」と上福が先発を買って出る。ユキと対峙すると「どっから来たの? おねえちゃんと一緒?」と夜の渋谷へ誘い出す。そこへ電話がかかってきたため、試合中だがためらわず出る上福。合コンの誘いに「よく食べる子? いるいる(のどか)。跳んでる子? いるいる(坂崎)」と4対4の合コンをセッティングしはじめる。そして会場は1Fなのだが「え? いま地下」と電波を求めて表へ。一人残された坂崎に爆れつシスターズが集中攻撃。のどかが変形首4の字、クイックタッチからのボディスラム連打などで攻め込んでいく。ドロップキックを返す坂崎だが上福不在でタッチできず。ようやく上福が戻ってくるが、合コン相手に「写メ送ってって言われた」とのことで攻防中の坂崎、のどか、ユキを撮影。思わずカメラ目線の3人。爆シスが誤爆で仲間割れしそうになったところで上福が試合にカムバック。「仲良くして」と言いつつ2人同時にサミング。さらに上福はビッグブーツで2人を蹴散らし見せ場を作るがダブルのショルダーアタックを食らう。さらにダブルでブレーンバスターを見舞った爆シスだが坂崎がステージの柵からダイブして誤爆しつつもカット。続いて上福がステージに座り、坂崎に飛ばされた姉妹に「いらっしゃーい」とサミング。坂崎は2人まとめてダイヤル固め。しかし上福が放った追撃のドロップキックは坂崎に誤爆。爆シスは得意の踏み台式ボディアタックを決めるとユキが上福にサイドスープレックスを決めフォール勝ち。勝利で王座戦を迎えることに。
メインイベント 15分一本勝負
山下はスカート状の旧コスチューム。入場曲も初期と同じベリーズ工房の「ジンギスカン」で、プレ旗揚げ期に試合を行なっていたDESEOへの思いを表現。しかし入場時にまなせと踊ろうとしたところでハイパミ&中島が奇襲。ハイパミは山下にヒーロー矯正システム。そこから連携で中島がネックブリーカー。中島は首4の字から顔面間っと打ち付け攻撃。ハイパミは腕攻めからコブラクラッチ。山下は風車式バックブリーカーを返す。まなせはハイパミにヘアホイップ、サッカーボールキック、ヒップドロップと連続攻撃。カバーが返されると腕十字も見せる。中島はまなせにライダーキックを連打していくが硬い胸で弾き返されてしまう。首固めで翻弄していく中島だったが、2発目はまなせが耐えて持ち上げるとボディスラム。山下には中島がローリングネックブリーカー。羽根折り固めは返されたが、その勢いで回転エビ固めへ。山下のエルボーがまなせに誤爆したところでハイパミvs山下の局面に。山下の蹴りに対しハイパミはチキンウィング・フェースロック。さらにハイパミは前蹴りで吹っ飛ばされながらもクロスボディを決める。ハイパーゴッサムクラッシュからハイパミ・リターンズを狙ったハイパミだったが山下はハイキック、バズソーキックで大ダメージを与える。そしてマットの外まで出て対角線をダッシュ、勢いをつけてのクラッシュ・ラビットヒートでハイパミから3カウント。勝ち名乗りとともに山下とまなせは勝利の「ジンギスカン」ダンス。しだいの振り付けの範疇を超えていくまなせの狂乱ぶりに圧倒される場面もありつつ、山下が思い出の地での勝利をかみしめた。
山下、旧コスで勝利のジンギスカンダンス!
全試合終了後、出演者、出場選手全員がマットに登場し、輪になって座るDESEO大会恒例のエンディングへ。代表して何人かが感想を語っていく。辰巳は「こんなに大勢のDESEOは見たことがない! もっとなんか数人でした。それは嘘ですけど。ライブで使ったペンライト、サイン入れて販売します!」。続いてラクは「今日は渋谷の駅の近くで、楽屋から電車の音が聞こえるのが嬉しかったです。単独ライブが決まったので、ぜひ12月31日、遊びに来てください。あと山下さんのジンギスカン、初めて見れて面白かったです(笑)」。あずさ「私のポスターどこ行ったんですか? あれに私と優宇のサインを入れて販売します。自分のことはさておき、東京女子プロレスが初期にやっていた会場にこんな大人数で来れるのは嬉しいことだし、あったかい空気で応援してくれてよかったです。私は残り数試合ですけど、まだまだ東京女子は続いていくし、デビューを控えた選手もたくさんいるので。このあたたかい空気があれば10年先、20年先も大丈夫だなって、ほっこりした気持ちになりました。山下さんのジンギスカン、久しぶり見れて……面白かったです!」。中島は「最初のころからDESEO来てるって人はどれくらいいますか? 初めてっていう人は? ここはもうなくなっちゃうみたいなんですけど、5周年を前に初心に帰れたのは嬉しいし、初めてのエキシビション、ここでKANNAっていう選手とやって、なんにもできなくて。その次が山下とエキシビションで、それが私の中でトラウマで。その時の山下が怖すぎて、デビュー前にする契約書にサインできなかったんです(笑)。でも今は気持ちよく終われるっていうのは、成長を感じました。今日はありがとうございました。あとジンギスカンは凄く面白かったです!」。そして最後は「ジンギスカン」コールの中、」山下が挨拶。「これ(コスチューム)着てた頃、17歳とかだったから今もう恥ずかしいし、ジンギスカンは面白いつもりで踊ってないから! でも懐かしいね。こうして仲間も増えて、お客さんも増えて。ここでやってた頃は月一回とかで。不安定でどうなるやろか、旗揚げ絶対できんやろこの団体って思ってたんですけど。けどこうして選手も増えて。(会場が)なくなっちゃうって聞いた時は寂しかったんですけど、こうしてなくなる前にできて、本当にうれしいです。じゃあみんな立って。これからも東京女子プロレス、どんどん突き進んでいきたいと思います。応援よろしくお願いします!」。
【試合後のコメント】
——久々のDESEO大会でした。
山下 久々でしたねぇ。
中島 狭さが凄かった。
山下 お客さんとの近さはDESEOならでは。
中島 声もダイレクトに届くのでテンション上がる要因になりますね。
山下 なくなっちゃうのは寂しいですね、本当に原点なので。
中島 10年後にも戻ってきたかったですけど、5周年を前にできたのはよかったし、新しい刺激ももらって。飛躍の年にしたいと言いながら毎年できていないので、今度こそ頑張って飛躍しそうかなと(笑)。
山下 コスチュームも久しぶりに着て。17歳とか初期のころのものなので恥ずかしさもありましたけど、みなさん喜んでくれたので。勝ちの舞いもできたので。
中島 あの頃はできることが少なくて、基本のレスリングでも狭いところで精いっぱいだったのが、今は狭いなって感じる中で自分のスタイルで戦術を組み立てるのが難しさを感じたんですけど。マット、たまにやりたいなって思いました。
——独自の難しさ、面白さがある?
山下 初期のころに味わった難しさと、今の難しさは確実に違うので。成長したのかなって思いつつも、でもまだまだなので。今日ここでできてよかったです。
——今日はゲストアイドルなし、所属とレギュラーだけでした。
中島 まさか自分たちだけで。あの頃って選手のほうが少なくて、頑張って1興行するためにゲストさんに来てもらってたので。それが全部ウチでできるっていう。
山下 こんなふうになるとはね。
中島 もっともっと大所帯にしていきたいですね。