#1
台本の遅れを取り戻すべく奮闘するミサヲを謎の男が襲撃、さらに連れ去られようとされたミサヲを救おうとしたユキと頭がごっつんこ! ミサヲとユキの身体が入れ替わってしまい…。
道場に集まっているミサヲ以外の出演者の面々。心配している面々だが、3日前になってもHYPE!の台本が完成していない模様。中島は「絶対完成させるように昨⽇事務所の椅⼦に縛りつけておいたから。⽸詰状態だ!」と胸を張るが、缶詰にされていたミサヲは「腕が使えなかった時があったとはいえ、さすがにこれはヤバすぎる!」と苦悩しているばかりか「プロレスの神様、私に⼒をください!」と神頼みする始末。ここでドリンクを飲んだミサヲがガンギマリ状態となり、「私、氣づいちゃったかもしれない! プロレスの神様、そういうことだったんですね? ハイパーミサヲ、プロレスと宇宙の秘密に氣づいたぞ!」と猛烈な勢いでパソコンに打ち込み始めるも、背後から謎の⼈物に頭を⽊槌で殴打されてしまう。心配になってミサヲの様子を見にやってきたユキが目にしたのはぐったりした様⼦のミサヲが謎の男に引きずられている光景。ユキの声に気付き、逃れようとするミサヲ。そして救出せんと奮闘するユキ。謎の男から逃れた反動でミサヲとユキの頭がごっつんこ。2人とも意識を失い、謎の男は倒れたミサヲを連れ去ってしまう。しかし、頭をごっつんこした反動でミサヲとユキの中身が入れ替わったようで、意識を取り戻したユキは鏡を見て「もしかして私たち⼊れ替わってる!?」。にわかには信じがたい事態にミサヲの心を持ったユキは「私はユキの⾝体をしてるけど中⾝はミサヲなんです! そんでミサヲの⾝体にユキが⼊っちゃったんです!」と訴え、「で、そのユキさんの魂が⼊ったミサヲさんの⾝体は謎の男に連れ去られて⾏⽅不明…と」と説明する真弥に「何度もそう⾔ってるだろこのデコ助が!」と肩パン。これに「確かにこの感じ…ミサヲさんぽい」(鈴芽)と納得し、ユキの魂を心配する面々だが、ミサヲの心を持ったユキは「きっと無事に戻ってきてくれると信じてる! 今はとにかくHYPEを成功させるしかない! HYPE!絶対成功させるぞ!」と誓うのだった。
#2
今回は宇宙人から地球を守るプロレスラーを目指す東京女子プロレス学園が舞台。恋野ユキと遅礼ルネが転校生としてやってくるのだが…。
今回の舞台は東京・新宿に所在地を置く私⽴東京⼥⼦プロレス学園。⻄暦20XX年にプロレスラーという職業が国家資格に合格したものしかその活動を認められない国家認定職業となり、「⼦供が将来なりたい職業ランキング」に15年連続で1位を獲得するという押しも押されもせぬ⼈気職業に。中でも私立東女プ学園は卒業⽣の合格率が90%を超えるという全国から⼊学者が絶えない名⾨校。その私立東女プ学園にプロレスラーになるため転校生としてやってきたのが恋野ユキ(愛野ユキ)。転校初日に道路でぶつかってしまった学ランを着た人物(凍雅)にときめいたりしながら無事教室へ。担任で理科教師の倫理観リカ(辰巳リカ)に紹介されたユキだが、なんと後からもう一人の転校生が遅れて登場。名前は遅礼(おくれ)ルネ(高見汐珠)といい「⻑所は宇宙⼀の負けず嫌いで、短所も宇宙⼀の負けず嫌いです!」とアピール。リカ先生によるとプロレスラーが国家資格になったのは「宇宙⼈から地球を守っている」ため。かつて悪事を働き地球征服を目論む宇宙人をプロレスラーがプロレスで勝利し、試合終了を告げるゴングが鳴らされた瞬間、あたりが光に包まれ、宇宙⼈が弱体化し、地球のピンチを救ったたことがあったという。さらにゴングの音には記憶を消去する力があったのだ。具体例として男2vs女2の合コンが展開される。ルネはリカ先生に「プロレスラーが宇宙⼈に負けたことってないんですか?」と尋ねる。「今のところ、そういったことはないわ。プロレスラーは最強なのよ」(リカ)「プロレスラーは最強…」(ルネ)
#3
天沢凍雅、風紀委員、さらに生徒会が登場!
地球を守る立派なプロレスラーになることを夢見るユキ。そんなユキの前に現れた3人(鈴芽、らく、風城ハル)は学園の「品⾏⽅正」「清廉潔⽩」「質実剛健」という規律を守らせるという⾵紀委員会。黒革の手帳に全生徒の詳細なプロフィールを記録し、管理しているという風紀委員会はユキの金髪を見て「不良」「不純」「コンプラ違反」と騒ぎ立て、ユキの髪を墨汁で染めようとする。そこに現れたのは、ユキと道路でぶつかった人物(凍雅)。名前を天沢(あまさわ)凍雅。下級生がファンクラブを作るほど人気で「地球を守るプロレスラーは品行方正でなくてはならない」という理念を持つ風紀委員会から目をつけられていた。風紀委員会から制服を脱がされそうになる凍雅がユキの手を掴んで「おい、逃げるぞ!」。ユキは「これって少⼥漫画みたい! 私を海に連れ去って!」と凍雅にときめいてしまうが、ここで「ちょっと待った!」の声。ブラックビスケッツの『Timing』を熱唱した3人はなんと生徒会の面々。風紀委員会の厳しい取り締まりを「横暴」と主張する生徒会は「生徒のピンチを助ける!」。風紀委員会は「⼤した仕事もしてないお遊び⽣徒会のくせに!」「調⼦に乗るんじゃないですわ!」と捨て台詞を吐き捨て退散。生徒会はユキと凍雅を勧誘。凍雅は面倒くさがってその場を去ってしまう中、生徒会はユキを捕まえて自己紹介。⽣徒会⻑のど真ん中島翔⼦(どまんなかじま・しょうこ/中島翔子)、書記の鈴⽊志乃五乃(すずき・しのごの/鈴木志乃)、そして副会⻑の奇留年真弥(きりゅうねん・まひろ/桐生真弥)。ユキを勧誘する人手不足の生徒会に「⼊ります!」と現れたのはルネ。ど真ん中島は「これで⼀気に2⼈も増えた!」と大喜び。結局、ユキは生徒会に入会してしまうことに。放課後、雨の中、ユキはびしょ濡れの子猫を助けている凍雅を見かける。ここでユキは同じクラスだという凍雅の貧しい家庭環境を知ることになる。同情するユキは「凍雅君、よかったら明⽇の放課後もここで待ち合わせしない?」と誘い「ほっとけないよ、凍雅くんのこと…あ、いや、この猫ちゃん。私も⼀緒にお世話させて!」。
#4
風紀委員が宇宙人の乗っ取られてPanic(パニック)に! 生徒会が撃退に動く!
平和な学園生活が続くかと思われたが、ルネが慌てた様子で「風紀委員が!」と生徒会の前に現れる。するとPerfumeの『Cosmic Treat』で現れた3人は「ハルっちです!」「ら~ちゃんです!」「スズメバチ科です! 3⼈合わせて」「Panicです!」と自己紹介。ど真ん中島は3人が宇宙人に乗っ取られていると把握し「今はとにかく闘って正気に戻すしかない! バトル・スタンバイ! ゴー・ファイト!」。奇留年が盛り返し、ど真ん中島がコーナーに登るもルネがしゃしゃり出て逆転を許す。それでもど真ん中島、奇留年、志乃五乃の生徒会ボンバーで勝利し、試合終了のゴングが鳴らされると光が照らされる。風紀委員会の3人は宇宙人に乗っ取られた記憶が消される。「本当はわたくし…試合開始早々リングの上でお昼寝するような破天荒なレスラーになりたかったの」「わたくしも戦隊ヲタ丸出しで仮⾯ライダーポーズで⼊場とかしてみたいんですの」「わたくしはいつもか弱い見られるけど、本当は誰よりも強くてかっこいいレスラーになりたいんですの」「でも勇気がなくて…全員レスラー模試の結果F判定だったし」「このままじゃ私たち憧れのレスラーになれないって焦って…」「あなたたち地味にしたら、私たちが輝けるんじゃないかって…ごめんなさい!」。この吐露を聞いたユキは「プロレスラーは好きなものに素直だから、強くてかっこいいんだと思うんです!」と話し、生徒会がこの事態を丸く収めたが、なぜ宇宙人に乗っ取られたかはわかってない様子。転校⽣を研究しようと⿊⾰の⼿帖を見ようとしたところ何者かに襲われた様子で、さらに⿊⾰の⼿帖も紛失してしまっていた。学園のピンチにリカ先生を探しにいくルネ。その頃、リカ先生は理科実験室で凍雅を自身の思う完璧なプロレスラーを作り上げるため、特製ドリンクを飲ませようとしていた。抵抗する凍雅の前になぜかルネが現れ…。
#5
凍雅もリカ先生も宇宙人に乗っ取られて生徒会と対戦することに!
風紀委員を介抱する生徒会の前にルネが駆けつけると「⼤変です! リカ先⽣が! それに、天沢凍雅さんも…」。するとピンクレディーの『UFO』で宇宙人に乗っ取られたリカ先生と凍雅が登場。動揺するユキ。ど真ん中島は「闘って⽬を覚まさせるしかない! バトル・スタンバイ! ゴー・ファイト!」。生徒会ボンバーからど真ん中島がコーナーに登るもルネがしゃしゃり出て逆転を許すが、なんとか⽣徒会が勝利。ゴングが鳴らされると光が照らされ、宇宙人の乗っ取られた記憶が消された2人。生徒への愛が暴走したというリカ先生は「教師として失格だわ」と猛省。凍雅も「俺、いや、私、本当はみんなと同じ制服が着たいし、プロレスに集中したい。本当は⼥の⼦らしいかわいいものも大好きなの! これからは⼥の⼦らしい⾃分を隠さない。それでもいい?」とユキに言い、ユキも「もちろんだよ! 凍雅くん、⼤好き!」と手を取り合った。しかしながら、なぜ宇宙人の乗っ取られたのか。転校生の資料を見ていたリカ先生だったが、やはり何者かに襲われてその資料が奪われたとのこと。この緊急事態に学園は閉鎖されてしまった。
#6
遅礼ルネの正体は宇宙⼀負けず嫌いな星、ウラ地球星⼈のウラ姫! そして休憩へ!
ルネが生徒会室で黒革の手帳と資料にハサミを入れようとしているところ、カバンを忘れてしまった奇留年が戻ってくる。慌てて手帳と資料を隠すルネ。奇留年が疑問に思うと取り繕うルネだったが、無理やり奪ったルネの写真はまったくの別人(猫はるな)。「ん? なんか書いてある。怪我で⼊院中? 転⼊は夏休み明け…!?」。ルネが目からビームを出し奇留年を倒すと「知られてしまったからには消えてもらいます!」。そこに駆けつけたど真ん中島、ユキ、志乃五乃。「ルネ。オマエ、宇宙⼈だろ!」と詰めるど真ん中島。これにルネは「バレてしまったからには仕方ない。私は遅礼ルネ…いや、わらわこそが宇宙⼀負けず嫌いな星、ウラ地球星⼈のウラ姫だ! 地球を征服にきたウラー!」。ここで暗転し第1部終了と休憩のアナウンス。
#7
生徒会がウラ姫を撃退し、私立東京女子プロレス学園の平和は守られたのだが…。
休憩明けのスクリーン。第2部の準備でバタバタしている⼀同。甲⽥「もうそろそろ休憩明けまーす!」⼀同「うるせー!」リカ「そういえばパミは?」真弥「さっきまでいたんですけどね…」中島「探してくる」中島がミサヲの心を持ったユキを見かけるも、エレベーターにいたユキはエプロンサイドの幕で何かを隠した様子。中島「もう始まるよ!」ユキ「あ…中島さん!」中島「緊張してる? ⼤丈夫? もうちょっとで終わるじゃん!」ユキ「そうですよね…頑張ります!」
リングにはきゃりーぱみゅぱみゅの『インベーダーインベーダー』で現れたウラ地球星⼈のウラ姫。「地球人はみんなちょろいウラ!」とビームで奇留年と志乃五乃を洗脳してしまう。ど真ん中島は「2⼈の正気を取り戻んだ! 闘うぞ! バトル・スタンバイ! ゴー・ファイト!」とユキとともに闘いに挑むことに。奇留年と志乃五乃を操りバトルを優位に進めるウラ姫。ユキがパワーを発揮し、ど真ん中島がウラ姫から勝利。試合終了のゴングが鳴らされ光が照らされ、奇留年と志乃五乃が正気に戻る。ど真ん中島「⼤丈夫だ! 俺たち⽣徒会が宇宙⼈から学園を守ったんだ!」志乃五乃「よかった!」奇留年「わ、我が東⼥プ学園⽣徒会は永遠に不滅なりぃ…!!」ど真ん中島「さて、あとこいつをどうするかだ」ウラ姫「くぅ…⼒が出ない!」ど真ん中島「まいったか。プロレスラーは最強なんだよ!」ウラ姫「でもわらわは…!」ユキ「(唐突に)こうして、私⽴東京⼥⼦プロレス学園の平和は保たれたのだった!」
#8
なんと頭をごっつんこして本当に入れ替わっていて、さらに休憩明けにごっつんこで元に戻っていたことが発覚! ユキはゲストと対戦することを嫌がり…。
しかし周囲はざわつく。ユキ「ということでありがとうございましたー!」中島「はやい、はやい。飛ばしている」真弥「このあとまだありますよ」ユキ「いいんです! 時間押しているし! 終わります!」ここで「ちょっと待った!」の声が響き渡り、ミサヲがステージに現れる。中島「ミサヲ!? いや、ミサヲと入れ替わっているからユキか!」ミサヲ「中島さん、私、ミサヲなんです。実はこういうことなんです…」
場内が暗転して回想シーンが流れる。そこには北沢タウンホールに息を切らして向かうミサヲの姿が。ミサヲが到着すると「やっとたどり着いた!」ユキ「えっ! ユキ!?」ミサヲ「ミサヲさん! 私、間に合いましたか? HYPE、うまくいってますか!?」ユキ「ユキ、⼤丈夫!? よくぞ無事だった! あの⿊いヤツはどうなったんだ?」ミサヲ「⿊いヤツ…うっ! なんか…全然記憶がなくて…気づいたら道端に倒れてるし…もうHYPE の⽇になってるし…とにかく向かわなきゃと思って…」ユキ「まぁとにかく無事に戻って来れてよかったよ! 細かいことは後で聞く! とにかく元に戻ろう! 今回のHYPE!はユキが主役なんだよ!」ミサヲ「え、主役? 私が?」ユキ「今は第⼀部の休憩中で、もうあと少しでクライマックスの⼆部が始まるから! とにかくもとに戻ろう! ごっつんこ!」ミサヲ「いやいやいや! 主役とか無理ですって! 演技とかできないし! このまま続けて私が最後の挨拶だけ出ればよくないですか?」ユキ「ダメダメダメ! 最後はユキじゃないとダメなの! 後半は演技がほとんどないし、闘うだけだから! ほら、台本⾒て!」ミサヲの心を持ったユキがユキの心を持ったミサヲに台本を渡す。ユキの心を持ったミサヲが必死で読み進めるも、驚愕の表情。ユキ「よし! 芝居部分は忘れてもあとは中島さんがなんとかしてくれるから⼤丈夫! あとは闘うだけ! プロレスラーなんだから⼤丈夫でしょ!」ミサヲ「ちょっと待ってください! なんで対戦相⼿この⼈なんですか!? 無理無理! 私、接点とかなんにもないじゃないですか! 無理ですって!」ユキ「いや⼤丈夫、⼤丈夫! ユキはどんな相⼿でも熱くぶつかれるって私、信じてるから」ミサヲ「どんな相⼿でもって⾔ったって! 無理ですよ!」2人がもみ合っていると頭をゴごっつんこしてしまい、ミサヲはぶつかった拍⼦にエレベーターの壁に頭をぶつけて失神。ユキが起き上がるも「はっ、元に戻ってる!?」。元に戻ったユキはミサヲを起こそうとするも失神したまま。そこに甲⽥代表の「もうそろそろ休憩明けまーす!」の声。ユキは慌ててミサヲをエプロンサイド幕で隠したのだった。
ミサヲ「というわけなんですね…」中島「じゃあ途中は全部ユキがやってたってこと?」ミサヲ「そういうこと。さすがユキ。記憶⼒と対応⼒が半端じゃなかったよ」志乃「でもそもそも私、疑ってました。だって頭と頭がぶつかっただけで⼊れ替わるわけないじゃないですか」真弥「そうそう! 私はミサヲさんが失踪しちゃって、それをユキさんがカバーしてやってるのかなって」ミサヲ「うるせー!(肩パン) そんな無責任なことこの私がするわけないだろ! ごっつんこで⼊れ替わってたの!」中島「あるから! プロレス界にごっつんこはある!」ミサヲ「そういうこと! でも、休憩中に元に戻ったことをなんでみんなに隠してたの? それにリング幕で私を覆い隠して。あれけっこう臭いのよ! でもその臭さで目覚めた。だから第二部を途中から⾒てた。あの短い時間で台本を把握して成立させてた。さすが私が見込んでいただけの主役だね。だけど物語の続きはまだあったよね」ユキ「もう物語は終わりました。お話としては完結したからいいじゃないですか」ミサヲ「ダメダメ! この後、ウラ姫の正体がとんでもないやつと発覚して、主⼈公の恋野ユキとの⼀騎打ちっていう重大な局面がまだ残されているじゃないの! それにゲスト選⼿、もう裏にきちゃってるし、ゲスト選手に恥をかかせるわけにはいかないだろ! 無茶振りかもしれないけどやってよ~!」ユキ「ほんとに無茶振りです! むちゃくちゃです。私が主役だってことも、今日初めて知ったし、⽣徒会が勝って物語は完結でいいじゃないですか! このあとの私の1試合なんて誰も見なくて⼤丈夫ですよ」ミサヲ「ヤダヤダ! 私は愛野ユキが主役として闘うところが見たいんです! 急に主役って言われて⼼の準備もないまま、あまり接点もない相⼿と組まれてシングルマッチでやらされるの、ユキが⼀番いやなことだと思うし、主役も演技無理って言ってたし、本当は嫌なのもわかるよ。だけど私はユキに主役をやって欲しかった。だって、ユキ主役できるから! どんな相⼿だろうと勝ちを目指して⽴ち向かえると私信じています。だからみんなも付いてきてくれたんだよね? それにユキは熱くなりたい!って、⾔ってるじゃん。だからお願い!」ユキ「いや、でも! それでも私とこの⼈の試合、誰も見たくないですって!」ミサヲ「私が見たいんだ! この天才プロデューサー、ハイパーミサヲさんが見たいって⾔ってんだから、それでいいじゃないの! それがHYPE!だろ! このユキととんでもない相手との一騎打ちを見たいがためにこうやってみんなを巻き込んでやったという、このHYPE!はこのためだけにあるって言っても過言ではない。というかむしろそうなんです! だからやるしかない。やってくれよね、みんな。このあとの台本の続きをやってくれる覚悟を持ってますよね? 私がこのゴングを鳴らしたら台本の続きを進めてください。あ、CM明けみたいにちょっと巻き戻してやってください! 鳴らしちゃったらあとには戻れないから! 鳴らしちゃうからよろしく!」
#9
真のウラ姫の正体は男色ディーノ! それでもユキが闘うことを拒否していたが…。
ミサヲがゴングを鳴らすと、生徒会がウラ姫を撃退したところに話が戻る。ど真ん中島「⼤丈夫! 俺たち⽣徒会が学園の平和を守ったんだ!」志乃五乃「よかった!」奇留年「わ、我が東⼥プ学園⽣徒会は永遠に不滅なりぃ…!!」ど真ん中島「さて、あとはこいつをどうするかだ」ウラ姫「くぅ…⼒が出ない!」ど真ん中島「まいったか! プロレスラーは最強なんだよ!」ウラ姫「でも…わらわは…! わらわは…諦めない! こうなったら、真の姿になってやるウラ!」⼀同「真の姿!?」
ウラ姫が倒れ込み、場内が轟音が響き渡る。するときゃりーぱみゅぱみゅの『インベーダーインベーダー』にのって現れた真のウラ姫の姿は男⾊ディーノだった。ウラ姫「わらわこそが真の姿ウラー!」⼀同「えぇー!」奇留年「こんなおじさんがあの⼦の正体だったなんて!」志乃五乃「さ、最悪!」ど真ん中島「でもやるしかない! みんなで力をあわせてこいつを倒んだ! バトルスタンバイ、ゴー・ファイト!」
真のウラ姫が強すぎてど真ん中島も奇留年も志乃五乃も倒されてしまい、残るはユキ一人。ど真ん中島「恋野、闘ってくれ!」ユキ「私、できません!」ど真ん中島「恋野、お前しかいないんだ!」ユキ「無理です!」ど真ん中島「ユキならできる」ユキ「できません」するとウラ姫ではなくディーノとして「はいはいはい!」とストップをかける。
ディーノ「今のは恋野ユキとしてのセリフ? それとも愛野ユキの気持ち? 愛野ユキのさらに奥の気持ちを聞かせて。やりたいの? やりたくないの?」ユキ「男色さんのことは選手として当たり前にすごい人と知ってます。だけど男色さんと闘うとなったらそういう感じで挑発的に煽られるのとか嫌なんです! そういうのじゃ私は全然テンションが上がらないんです。私は勝ちたいという本気の気持ちをお互いにぶつけあいたいんです。対戦相手にリスペクトを持って、お客さんも相手も、みんなまとめて燃え上がるような空間を作りたいんです。だけど、男色さん相手でそれができると思わなかった。だって男色さん、仕事で来ただけだし、別に私に勝ちたいと思ってないですよね?」ディーノ「私が今ここに来た理由を教えようか。この世界の創造主がやってくれと。で、私、確かに愛野ユキのことを知りたいなと。愛野ユキとこのリングで今こうやって立ってんじゃん。私はあんたのことを知りたい。そしてここだけのことで言うと、私は今この瞬間! 棚橋弘至よりあんたをぶっ潰したい。それでもやる理由ないの? 見たい! 私はやりたい! あとはあんただけ!」ユキ「私はこの会場に来てくれたみんなを喜ばせたいんです。楽しかったでも悔しかったでもなんでもいい、何かのパワーで満たして帰ってもらいたいんです」ディーノ「じゃあできんじゃん」ユキ「でも、男色さんからしたら私なんて近所の団体の、ただの女子選手。世間から確固たる評価がある選手とかでもない。だから別にどうでもいいと思っていたんですよ。でも男色さんのその真っすぐな言葉を聞いて、ゴチャゴチャ考えているのバカらしくなりました。私は今このみんなの前でカッコいいことを言う男色ディーノを全力でぶっ倒したい。闘ってください」ディーノ「もうこれで決定でしょ。愛野ユキvs男⾊ディーノ、決定」
メインイベント 15分1本勝負
両者がハケて再びオープニングVが流れる。それが明けてディーノとユキのスペシャルシングルマッチがスタート。ショルダーアタックでぶつかるユキにディーノはのっけから垂直落下式ブレーンバスターを食らわせ「立てよ!」。ユキがエルボーで向かっていくがディーノがボディースラムで叩きつける。カウント2で返されるとフェースロックからサーフボードストレッチ。解除してもディーノはストンピング。ボディースラムからニードロップを放つディーノだがカウント2。返されるやすぐさまV1アームロック。腕も足も取っていくディーノだがユキはロープに逃げる。ユキがショルダーアタックを決めてもディーノはすぐさま起き上がってフルネルソン。さらに拷問式コブラツイストと攻撃の手を緩めない。ディーノは自ら解除すると垂直落下式ブレーンバスターの体勢。これを踏ん張ったユキがショルダースルー。さらにセントーンを投下し、リバーススプラッシュ式セントーンを放つもカバーはカウント1。5分経過、ダイビングショルダーを放ち、サイドスープレックス狙いもディーノがエルボーで止めて垂直落下式ブレーンバスター狙い。ユキが着地してエルボーからサイドスープレックスで投げることに成功。ヴィーナスDDTはカウント2.5。ユキがショルダーアタック連打もディーノが一発で戦況をひっくり返してファイト一発(エルボー→蹴り)から男色ドライバー狙いはユキが拒否するもディーノが男色ドライバー。しかしカウント2。大「ユキ」コールの中、ディーノがショルダーアタック。起き上がるユキにもう一発。踏ん張るユキが何度もショルダーアタックを打ち込んでいくが倒される。ディーノがすかさず垂直落下式ブレーンバスター。木曽レフェリーがダウンカウントを数える。大「ユキ」コールの中、ユキはカウント9で起き上がるもディーノは仁王立ち。ユキは再び倒れる。ディーノは「立て!」と鼓舞する。ユキが懸命に起き上がるとディーノはハグからショルダーアタックをぶちかまし、そこから押さえ込んで勝利した。
エンディング
「ミサヲさんがもう一回やってまで見たかったもの見れましたか?」(ユキ)「宇宙にいくぐらいまで想像以上のものを私に見せてくれてありがとう。最高だよ!」(ミサヲ)
ディーノ「これがユキの生き方ならみんな近くで見てあげて。(睨みつけるユキに)悔しいね。いい目してるね。ただ今日私があんたと試合をして、創造主にこの試合が見たいと言われてね、確認したいことが2つあって。一つはユキ、あんたのこと。もう一つは東京女子プロレスっていいところだな。ユキ、私が知ってる範囲のことを言うね。デビュー前に練習重ねてて、で首の大ケガをして一回諦めたよね。でも! やっぱりこのリングが恋しくて、もう一回戻ってきた。あと信頼しているお姉ちゃんがいるからってこのリングに上がってきて。お姉ちゃんは別々の道にいった。まあ寂しかったかもしれないね。いろいろあったかもしれないね。まあ、ユキ頑張っているよ。でもね、この人生。頑張ったからってそれが必ずしも報われるものじゃない。でも、東京女子プロレスは少なくとも見てくれる。こんな平日の条件悪いのに見に来てくれているから。頑張ったら報われるなんて言わない。でも頑張ったら見てくれる人がいる。だから、あんたは愛野ユキを頑張りなさい。アンタらも…ごめんね、説教おじさんで。自分自身を頑張れ。報われるかはわからない。でも見てくれてる。それが東京女子。じゃないとこんな興行やる団体、世界中どこ探してもないよ。東京女子だけだよ。それは誇っていい。見てくれてんじゃん。だからあんたたちは見てくれる人のために全力で自分を生きなさい。これが48歳の説教おじさんの残す言葉です。(場内『ディーノ』コール)当然、私はこの試合も全部背負って、勝手にあんたも私の一部として棚橋弘至をぶっ潰すよ」。ディーノが拳を突き出すと、ユキも拳を突き返す。ディーノはここで退場。
ミサヲ「ユキ、お疲れ。本当によかった!」ユキ「ミサヲさんがもう一回やってまで見たかったもの見れましたか?(場内拍手)」ミサヲ「もう想像以上というか想像してないぐらいの、天井いっぱいの、空、本当に宇宙にいくぐらいまで想像以上のものを私に見せてくれてありがとう。本当に。愛野ユキ、最高だよ! 時間もないので手短に懺悔プラスこの興行のことについて言いたいんですけど、6月にやったやつ、私とユキのシングルを最後にやったけど、本当は最初、これをやりたかったんです。だけどユキに流れを無視して最初に言って、それで『ちょっと…』って言われて。私とならシングルをやると言われて。私はその時、ユキの私とならシングルをやるという気持ちを受け入れて6月のHYPE!を(やって)。あれはあれで天才だから成功だったんだけど、やっぱ私は頑固でひねくれ者で、どうしても自分の意志強すぎマンだから、どうしても私のやりたかったものをやりたかったの。ユキだけが主役、そしてユキにとって嫌なことかもしれない。だけど、ユキの気持ちを全部知りたかったのよ。それでこんな回りくどい…あの時、私がもっとお姉ちゃんしてユキにこの日を迎えさせる力があればよかったんだけど、私も私で弱かった。回り道させちゃってゴメン。だけど、ユキの熱い熱い熱い熱い気持ちを全部、こうやって堪能させてもらいました」ユキ「あのね。私は今回、このハイパーミサヲという鬼才によって男色ディーノという宇宙人を介して侵略された気分だった。私はあんまり自分の思っていることだとかをツラツラ言葉多く語るのは好きじゃない。だからあまり私は伝わってないかもしれない。だけど、こうやって無理やり引き出されて、これもありだったかな、たまには。HYPE!3再演でしか味わうことができない世界線を無理やりミサヲさんがやるって決行してくれて。こうやってみんな来てくれて、できて本当にラッキーでした。ありがとうございます」ミサヲ「みんなにも一言ずつ言ってもらいたいんだけど、ちょっと時間がヤバいらしい。だけど私から選手のみんなもスタッフのみんなも、1ヵ月前に突然言って、甲田さんもそうだけど会場を無理やり押さえてもらって、みんなの予定を空けてもらって、一回忘れたセリフを思い出してもらって、一回忘れた音響や照明を思い出してもらって。でもこれに乗ってくれたのは主役のユキへの信頼、そして私を信頼してくれてありがとう! こんなスケジュールに足を運んでくれたここにる頭のおかしい皆さんありがとう! 最高です! じゃあ締めます! I Get HYPE! We Get HYPE!」
エンドロールが終わるとスクリーンには黒い男が。「君たちは知りすぎてしまったようだ。宇宙とプロレスの秘密について。忘れてもらおう、その熱い気持ち以外はね」と言ってゴングを鳴らし、記憶を消してお開きとなった。