ユカリカvsアントン&ヒロシ、初期メン3WAY戦、そして盟友・瑞希との3分間のシングルマッチ…坂崎、東京女子プロレスに笑顔と涙で別れ!「ここで卒業できてよかった、ここで生まれてきてよかった」
6日、東京・北沢タウンホールにて「東京女子プロレス誕生10周年記念興行~坂崎ユカ卒業スペシャル~」が開催された。今大会はこの日で卒業となる坂崎のための特別興行。まず第1試合ではかつて坂崎とともに音楽ユニットに在籍していた辰巳リカ、アントーニオ本多、トランザム★ヒロシが顔をそろえた。アントンの提案で3カウントやギブアップで決着せず、対戦相手に負けを認めた場合「私が諦めます」と降参を宣言しなければならない「和製アイ・クイット・マッチ」でおこなわれた。ヒロシの『贈る言葉』熱唱、アントンのごんぎつねといったフルコースの中、坂崎に関節技で捕獲されたアントンが「お前ら、諦めるなよ! どこにいっても何をしてても、諦めるなよ!」と餞の言葉を送り、「諦めるギブソン…諦める」と白旗をあげた。
【試合後のコメント】
坂崎&リカ ありがとうございました!
アントン ありがとうも何もねえよ。
ヒロシ そうだな。
アントン 思い切り殴りあったまでだから。今日のところは我々が負けたが、次やったらわからないし。十年ひと昔、こうして経ってみると本当に一瞬だな。
坂崎 元々の始まりがこの2人の試合だったので。私たちができたのもこのお2人のおかげです。ホントに10年、お世話になりました。これからリカをよろしくお願いします。
アントン 10年間、お世話したというか…何もお世話してないよ。
坂崎 いえいえ、2人が頑張ってる姿を見て。
アントン 本当に我々の予想以上というか、人生面白すぎるというか。彼女たちがこうやって我々を越えて、すごいレスラーになっていくっていう過程にみなさんもビックリしたと思いますし、我々もビックリしましたし、ひょっとしたら2人自身もビックリしたかと。本当に素敵な人生になりましたかね。イェーイ!
ヒロシ 人生最高!
リカ プロレスラーになってよかった。
アントン ホントだね。プロレス最高だね。というわけで最後は「プロレス」で終わりますか。いきますよ。愛してるぜ!
4人 プ・ロ・レ・スー!
アントン さよなら。また会いましょう。
メインイベントは坂崎の希望で実現した山下実優、中島翔子との“初期メン”3WAYマッチ。試合は17分超えの熱闘。終盤、山下のハイキックと坂崎の冠先割の合体技で中島がリングから排除されると、山下が泣きながらミドルキックを連発し、坂崎はそれを受け止める。坂崎はかつてのタッグパートナーの中島との合体技「マルメコミアンズ」を披露。坂崎の魔法少女にわとり野郎を回避した山下に中島がダイビング・セントーン。これで山下は場外で動けず。坂崎は中島に強烈なローリング・エルボー。坂崎が中島を抱き起すと「ありがとう」と告げ、エルボーをグサリ。抱きしめるように押さえ込むと、3カウントが入った。
3人での抱擁後に坂崎がマイク。坂崎「このカードはな、ワシが辞めるって思った時に、最後はこのカードかなって思ったんだ。もちろん最初はしょこたとのシングルかなとも思ったんだけど。でもやっぱりこんな手のかかるアホンダラ(山下)でも、やっぱり欠かせない私の一部で、切り離せないものだから。だから、この3WAY叶ってよかった。闘ってくれてありがとう」中島「抜けるって最初に言われた時にさ、旗揚げからずっとみんなでやってきたじゃん? 私さ、プロレス頑張れてるの、坂崎ユカに負けたくなかったんだなって、ずっと、ずーっとね」坂崎「そんなことないよ」中島「隣にすごいやつがいてさ。ずっとさ…(涙)。負けたくないから頑張ってこれたから…いなくなっちゃったら、私プロレス頑張れるのかなって、自分勝手だけどそう思ってたのよ。でもさ、今日も負けたしな(苦笑)。これからもっともっとすごいプロレスラーになりたいって、やっぱり思えるの、ずっと。だから寂しいけど、地球はひとつだしな。ずっと続けるしな。私も頑張るから、アメリカで風邪ひくなよ」山下「(泣)ほんとに喋れない…ちょっと待って。10年間ずっと一緒におって、私にとってユカちゃんってホントに…お姉ちゃんのようでもあるし、お母さんみたいな…。ホントにいまの自分がレスラーとしても人としてもあるのは、ユカちゃんのおかげでもあって。私がダメな時とか怒ってくれて、でも自分が悲しい時とか落ち込んでる時とか、ずっとそばにおってくれたり、嬉しいから喜んでくれたり。だからホントに私にとってユカちゃんはすごく大事な人で、ユカちゃんがそうやって思ってくれたように私もユカちゃんが苦しい時は私も苦しいし、何か怒ってれば…私もたぶんそれ以上に怒るし。ユカちゃんがすごく幸せそうに笑ってる時はホントに私もすごく嬉しくて。だからこれから離れても、力になれるか。アホやしバカやけど、でも私はずっとユカちゃんの味方でいます。アメリカでもどこでも遠いところでも、きつい時は飛んでいきます。だからユカちゃんらしく、頑張ってください。あの、無理はしないでください」坂崎「お前もな」山下「でも、ずっと見てます。嫌がっても追いかけまわします。これからも頑張ってください。サヨナラじゃないので、これからもよろしくお願いします。ありがとう」その後、坂崎はリング下の瑞希に「おい、お嬢さん。入ってきたら」と呼び込む。瑞希「ずっと我慢してたけど、やっぱりイヤです! すごいイヤやし、もっともっと2人で組んで試合がしたかったし、もっともっと一緒にリングに立ちたかった。やっぱり、ずっとそばにいてほしいから…イヤかもしれん」坂崎「うちもちょっと予定狂って試合もできんかったしな。…やるか、今日。時間ないけど。やるか! でも、ちょっと時間がないことは知っているんだ。哲ちゃん(甲田哲也代表)、どこ? 1分でもいいからさ、時間ちょっとくれんかな」甲田代表から3分の時間が与えられ、急遽、坂崎vs瑞希の3分1本勝負がスタートした。
その場から動けない瑞希に坂崎がエルボーをぶち込んで鼓舞し、試合がスタート。瑞希は坂崎をコーナー2段目にセットしての串刺しフットスタンプ。残り1分でコーナーに登ると坂崎が止めに入って雪崩式マジカルメリーゴーランド。残り30秒、瑞希が泣きながらエルボーを打ち込んで残り10秒で渦飴を決めたところで時間切れとなった。
卒業セレモニーへ。まずは山下&中島から花束贈呈、瑞希からは“飴”の花束贈呈。リカがアルバムを手渡し、選手がリングに集まってみんなで記念撮影。その後、坂崎がマイクを取る。「ホントにホントに東京女子に生まれてきて、あらためてよかったなって思った一日でした。ホントにありがとうございます。これからどこに行っても東京女子生まれっていうのを誇りに持って、どんどん大きくなっていきますので、これからの坂崎も見守っててください。そしてこの最高の仲間たち…東京女子を末永くよろしくお願いします! いままで本当に…ありがとうございました。またね!」最後は選手1人ずつと握手&抱擁を交わし、最後にリングに残った坂崎が「いままで本当にありがとうございました! 大きくさせてもらってありがとう!」と頭を深く下げ、会場の出口のトビラで観客1人ずつとハイタッチをして見送った。
【試合後のコメント】
坂崎 最高の東京女子プロレスで、最高の興行になりました。ホントありがとうございます。ここで卒業できてよかった、ここで生まれてきてよかったってあらためて思いました。高木(三四郎)さんも拾っていただいてありがとうございます。
――結果的に3試合闘いました。
坂崎 アントンさんとミスター、福田洋の試合は考えてて。卒業ロードの中でやりたいなって思ってた試合で。最後は3WAYかなって思ってたんですけど、やっぱり瑞希はどうしても外せなくって。気持ち的には試合したくないんですけど…でも、私たちレスラーなので、これから違う道になっても強く生きるために、今日短いけど試合できてよかったなって思います。
――東京女子の子にエールを送るとしたら?
坂崎 ホントにいい子たちなんですよ、うちの子って。まれに見るくらいホントにいい子に育ってて。だからホントに一人一人が宝物なので、これからもその個性を、自分を信じてノビノビ生きてほしいですね。ホントいい子なんです。
――欠場もあったが、この卒業ロードに悔いは残っていない?
坂崎 悔いは…デ●●ニーラ●●でミ●●ーたちと防衛戦をするっていうのが夢だったんですけど、その野望はまだ潰えてないと思っているので。私がレスラーであるかぎりは、いつかはデ●●●ーランドでミ●●ーたちを相手にタッグマッチやりたいなと思います。
中島 …何を喋れっていうんですか(笑)。終わっちゃったなぁ…さみしくなるね。
山下 うん…でも私はもう、数年前からみんなで練習してて。まぁいつかこういう日がくるんだろうなって…覚悟してたんですけど。やっぱりめちゃくちゃ寂しいし、あらためて私にとってユカちゃんっていうのはすごく大事な存在だったなっていうのもあるし、これからもそれは変わらないんですけど。今日ホントに最後、中島とユカちゃんと私で3WAYができたっていうのはすごく…私にとってすごく大事な試合になったし、すごく特別な試合になったし、選んでくれてよかったなって。こちらこそありがとうって気持ちで、すごく楽しかったです。
中島 もうね、本人に言いたいことは全部ぶつけたから、最後に一言。ユカッチ! 愛してるぞー! …風邪ひくなよ?
瑞希 ユカッチの卒業が決まってからずっと目を背けてたから…一気に実感が沸いてて、すごい寂しくなって。何回も「イヤだ」って言ったらどうにかなるんじゃないかっていうのも思ったけど…特別な3分間がもらえたから…(涙)。でも、やっぱ闘うのはイヤだから、次はまたいつか組めたらなって思うし。ユカッチは瑞希のことをいつも心配してくれるけど、ホントはユカッチの方が頑張り屋さんで、すごい無理して人のことばっかり考えてるから。これからはホントに自分を大事にして…いっぱい輝いてほしいなって思います。でも東京女子も負けないくらい輝いていけるように頑張ります。
――闘うのはイヤだけど、最後に闘えてよかったのかなと。
瑞希 …いつもだったらめっちゃイヤなんですけど、独り占めできたので、悔いはないです。よかった。
なお、前説ではファン抽選により12・17春日部ふれあいキューブ大会の全試合が決定。また、1・4後楽園ホール大会でのマックス・ジ・インペイラーvs荒井優希のインターナショナル・プリンセス選手権試合、アジャコングvs上原わかなのシングルマッチも発表された。