瑞希が坂崎を破り、プリプリ王座涙の初戴冠!「歴代のチャンピオンたちみたいになれるように頑張る」
東京女子プロレスが3月18日、女子プロレスでは約20年ぶりとなる東京・有明コロシアムに初進出し、「GRAND PRINCESS '23」を開催。瑞希がプリンセス・オブ・プリンセス王者でマジカルシュガーラビッツ(マジラビ)のパートナー・坂崎ユカを破り、同王座初戴冠を果たした。
両者は2020年11月7日、TOKYO DOME CITY HALLで同王座をかけて、今回と同じ立場で対戦。そのときは坂崎が勝って防衛しており、それ以来、2年5ヵ月ぶりのパートナー対決となった。瑞希が同王座に挑むのはこれが5度目。
瑞希は場外へのダイビング・ボディアタック、ダイビング・フットスタンプなどで積極的に攻め込むも、坂崎はエプロンでのTeaTime、雪崩式マジカルメリーゴーランド、場外でのTeaTimeを決めるなどエグい技で反撃。坂崎は魔法少女スプラッシュを繰り出すもカウントは2。チャンスと見た坂崎は必殺の魔法少女にわとり野郎を敢行するも、かわされた。瑞希は秘技・渦飴からダイビング・フットスタンプ2連発でダメージを与えると、キューティースペシャルを見舞った。さらにもう一発キューティースペシャルを決めてホールドし、悲願の3カウントを奪取した。
坂崎からベルトを渡された瑞希は「歴代のチャンピオンたちみたいになれるように頑張る。尊敬するみんながつないできてくれたベルトと歴史をしっかりもって、もっともっとワクワクするような東京女子にしていくので、皆さん付いてきてください」と涙のマイク。坂崎から「チャンピオンでおってな」と言葉を掛けられると、瑞希は「誰にも獲られへんようにする」と返した。
バックステージで瑞希は「何度も手が届かなかったベルトに、やっと手が届いて。ユカッチ(坂崎)はやっぱり強くて、すごくかっこよくて。自分もこういうチャンピオンになりたいなって思いました。ユカッチに勝ったことはすごく自信になる。ここから先は今までたくさん負けたことも、今日こうやって大好きな人からベルト獲れたことも全部自分の宝物なので。もっともっとワクワクするような東京女子をみんなと一緒に、みんなを引っ張っていきたいと思います」と力を込めた。今後については「東京女子の人が私のベルト持ってる姿を見て、このベルトを欲しいって思ってもらえるようなチャンピオンになりたい。ワクワクする防衛ロードを歩みたい」と話した。
一方、王座から陥落した坂崎は「負けたのにすがすがしい気持ちもあって。瑞希のチャンピオンとしての姿がしっくりきたので。瑞希のチャンピオン像も私が応援したいなって思うくらい、かっこいい背中になってたので」とパートナーの成長ぶりを実感していた。
山下&伊藤が“怪女コンビ”を撃破し、プリンセスタッグ王座を奪取! ワンミリは米国での防衛戦も視野に!
セミファイナルでは山下実優、伊藤麻希の「121000000(ワン・トゥー・ミリオン)」が難攻不落のマックス・ジ・インペイラー&ハイディ・ハウイツァのウェイストランド・ウォー・パーティー(WWP)を撃破し、プリンセスタッグ王座を初めて腰に巻いた。
WWPはイッテンヨン(1月4日)、東京・後楽園ホールで「令和のAA砲」(赤井沙希&荒井優希)を破り王座奪取。その後、米国で3度の防衛に成功。ミリオンは先の「第3回“ふたりはプリンセス”Max Heartトーナメント」を制覇して、満を持してベルト奪回に臨むことになった。
ワンミリは奇襲をかけるも、WWPは動ぜず、序盤はケタ外れのパワーで圧倒。だが、5分過ぎ、山下がハイキックから投げ捨てジャーマンでインペイラーを倒すと、流れが変わり、一進一退の攻防が続いた。伊藤がハイディに狙ったフライング・ビッグヘッドが自爆すると、インペイラーが伊藤にラリアット。マスターブラスターにいこうとすると、伊藤が回避し、山下がリターンクラッシュを見舞った。すかさず山下がインペイラーにハイキック、Skull Kickを叩き込んで排除。伊藤のフライング・ビッグヘッドがハイディにズバリと決まって3カウントを奪い、東京女子にベルトを戻した。
伊藤は「強すぎて、何回もあきらめそうになった。伊藤一人だったら、絶対負けてた。山下が何回も頑張ろうって言ってくれたから。本当にありがとう」、山下は「ありがとうなんて言わないよ。タッグだから。当たり前のことだよ。でも、伊藤、隣にいてくれてありがとう」と歓喜。
さらに、山下は「あの怪物を倒すことができたから、もう怖いものはありません。これから日本、いや米国、英国、世界で防衛していきたい」と話した。山下は3月31日(現地時間)の米国大会以降、帰国せず、3ヵ月の予定で米国を拠点にして活動していくことになる。それに関し、伊藤は「私も月イチでこれからも米国に行く感じになるから。たぶん山下とも会うと思うし、そのときはまたお互いどれだけ成長してるか見せ合いつつ、防衛していこう」、山下は「米国でも防衛して。日本でも何かあれば私はいつでも飛んでくるし、伊藤も何かあれば米国に飛んできてくれるでしょう」と米国での防衛戦も視野に入れた。
かたや、試合後、ハイディを蹴り飛ばしたインペイラーはコメントスペースで、うなり声を上げて控え室に消えていった。ハイディは「ウォー・パーティーは強いんだけど、今日に関してはイトーとヤマシタのほうがもうちょっとだけ強かったかもしれない。まだ日本で、東京女子でやることは残ってる。マックスのことはどうにかしてみせる」とコメント。
リカがインター王座を奪い“東京女子版”グランドスラムを達成!
第8試合では辰巳リカが白昼夢のパートナーで、インターナショナル・プリンセス王座を保持する渡辺未詩を破り、同王座初戴冠。これでリカは同団体が認定する3つのすべての王座(プリンセス・オブ・プリンセス、プリンセスタッグ、インター)に就き、団体史上初のグランドスラムを達成した。
両者は2021年2月11日、東京・後楽園ホールでプリプリ王座をかけて対戦し、当時王者だったリカが勝利。今回、王者と挑戦者の立場が逆になって、2年1ヵ月ぶりのシングル対決となった。
前半は一進一退の続いたが、10分過ぎ、辰巳が足4の字固め、ドラゴンスリーパーへとつないだ。しかし、未詩は強引にリカをかつぎ上げると、首を支点に驚愕のジャイアントスイングの形でぶん回した。リカがエプロンでツイスト・オブ・フェイトを決めれば、未詩は雪崩式ティアドロップで反撃。エルボーのラリーから、未詩がダブルハンマー連打。未詩のレーザービームをかわしたリカはツイスト・オブ・フェイト。未詩がティアドロップを狙うも、回避したリカがドラゴンスリーパー、さらに回転してホワイトドラゴンスリーパーに移行して未詩からギブアップを奪った。
バックステージでリカは「戦う前より今のほうが、知らなかった未詩に会えたなって。知らない白昼夢が見せられたのかなって。戦う前は、白昼夢は解散とか離れ離れになるのもしょうがないよなって。そう思ったけど、やっぱり未詩には隣にいてほしい。このベルトを最強の相手から獲ったんで、自信をもって上だけ見て突き進んで。これから、辰巳リカ、主人公として物語を紡いでいきたい。(グランドスラム達成は?)無事に叶えることができたので。海外の選手はもちろん、東京女子の選手もチャンスがある選手とどんどん戦って防衛重ねて。タッグ、もう一つのシングルも手に入れていきたい。3冠王です」と3冠獲りを掲げた。
王座から滑り落ちた未詩は「前にシングルしたときは自信なくて。2年経って、今なら勝てるって自信で挑んだので。もうベルトがないと思うとさびしい。ベルトを獲って、リカさんとまた戦って負けたっていう経験ができたからこそ、きっとまた見える未知な景色があると思う。またいつかリカさんから勝ちたいという目標を立てながら、これからまた頑張りたいと思います」と涙。
荒井が“怪物”アジャに奮闘するも及ばず!「“またやろう”って言ってくれたので、次は勝つ」
第7試合ではSKE48の荒井優希が女子プロレス界のレジェンドで“怪物”アジャコングに初シングルで挑んだが、奮闘するも及ばなかった。
荒井はドロップキック連発、初公開のミサイルキックで果敢に攻め込むも、サソリ固め、フルネルソン・バスターにはもっていけず。頭に蹴りを入れた荒井はトップロープに上ると、そこからFinally(カカト落とし)を一閃。その後、Finallyを連発すると、場外戦で鉄柱攻撃を食らうも、エプロンから強烈なFinallyを叩き込んだ。カウント19ギリギリでリングに戻ったアジャは怒りの一斗缶攻撃を連発。パイルドライバーからバックドロップを見舞うも、荒井はカウント2でクリア。アジャのダイビング・エルボーを自爆させた荒井は再びFinally。アジャは裏拳で返していくが、かわした荒井はビッグブーツを繰り出す。アジャはラリアットから垂直落下式ブレーンバスターを決めて3カウントを奪取。試合後、場外でうずくまっていた荒井に言葉を掛けて退場した。
バックステージで荒井は「全部の試合でもちろん勝ちたいと思ってて。そういう気持ちでリングに立ち続けてるんですけど、今日はメチャメチャ悔しくて。すごい差があるのは分かってた。どんな形でも勝ちたかったんですけど、今の自分には届かないなって。でも、アジャさんが“またやろう”って言ってくれたので、次はホントに勝ちたい。いつになるか分からないけど、絶対もっと成長して、アジャさん、見てる人を驚かせたい」と唇を噛んだ。
アジャは「ヘタな小細工を遣わず真っ向勝負で来たんだなと。自分のもてるスペシャルなもの、Finallyをどれだけ叩き込むかと。対等に自分のもてるものでくるのが今回の彼女の選択肢だった。まさかこんなに追い込まれるとは思わなかったんで、これで終わるのはイヤなんで、“またやろうな”って最後に声を掛けた。今後の彼女がより恐ろしくなりました。勝つには勝ちましたけど、納得はいかないので、叩き潰すまでやりたい」と荒井の健闘ぶりを認めていた。
なお、第2試合では中3の風城ハル、中2の大久保琉那がデビュー戦に臨んだ。新人コンビは鳥喰かや、凍雅と組み、8人タッグで桐生真弥、上原わかな、HIMAWARI、鈴木志乃組と対戦。大久保はHIMAWARIにエルボー連打を叩き込み、風城はHIMAWARIとショルダータックル合戦から丸め込んで、低空のボディアタックを敢行するなど奮戦。最後は桐生がスパインバスターで凍雅を仕留め、新人組はデビュー戦を白星で飾ることはできなかった。風城は「私のプロレスを通して、見てくれる人に元気とか明日頑張ろうと思ってもらえるような選手になりたい」、大久保は「かっこよくてかわいくて、あこがれてもらえるような選手になりたい」とコメント。
なお、東京女子プロレスでは今後のビッグマッチとして、7月8日の東京・大田区総合体育館、10月9日の東京たま未来メッセ大会を開催することを発表。旗揚げ記念日の12月1日には東京・後楽園ホールで10周年記念興行を行う。
★全試合の詳細はWRESTLE UNIVERSEでご覧ください!
https://www.wrestle-universe.com/ja/lives/7hqQP3G1oVYiWoaYjuBNju