17日、新潟県上越市のDuo CEREZOにて「『プロレス冬まつり2024in上越 DAY1』帰ってきた中島翔子~新潟凱旋興行~」がおこなわれた。
第5試合は山下実優と上原わかなのシングルマッチ。開始前から上原を応援する大「わかな」コールが起こる中、試合は山下が格を見せつける闘いっぷり。蹴られに蹴られて苦しい上原は意地のドロップキックを繰り出すも側転エルボーはかわされてしまう。それでもリターンクラッシュをかわしてのドロップキックから側転エルボーをヒットさせてスリーパーで絞っていく。ヒザを顔面に入れてかわそうとする山下。ファイアーマンキャリーに持ち込まれるも、そこから回転エビ固め、さらにジャックナイフ固めに切り返した上原だったが、カウント2で返した山下が右ハイをズバリと決めて勝利した。
【試合後コメント】
山下 今日はわかなとのシングルマッチ、初めてだったんですけど。最近あったねくじぇねのトーナメントで優勝しただけあって、めちゃくちゃ成長がすごくあったなっていう風にも感じましたし。ホントに気持ちの強さっていうのはねくじぇね…夢プロレスの時から印象がすごく強かったので。そこからまた気持ちと技術面もどんどん成長してきてるなっていうう風に感じました。なんだろう…数年後がすごく楽しみだなって思いましたし、このまま成長していけば強くなれるんじゃないかなって思いました。楽しかったです。
――だいぶ厳しく攻めました。
山下 アジャさんと試合したりしてる中で、けっこう打たれて打たれてどんどん焚きつけるというか燃える子なのかなって印象だったので。ここまでやったらどうかってところを、試すじゃないけど闘いの中でわかなの強さを見たかったので、厳しめに攻めました。
――予想以上の強さは返ってきた?
山下 そうですね。ただ印象通りかなっていうところですね。そこを越えたときにもっと勝負ができるかなって思いました。伸びしろを感じました、今日に関しては。強さを感じたというよりは伸びしろを感じたかなって思います。
上原 今日は山下さんとの初シングルで、ずっと山下さんとは闘いたいと思ってたので。夢プロレスの時に山下さんは他の選手と最終ミッションで闘ってて。私はその試合を見て、東京女子のトップの選手はこんなに強いんだなっていうのを見てましたし。そこから夢プロレスが終わって、デビューしてから1年。まったくシングルマッチとか、タッグでもあんまり闘うことがなくて。なのでホントに今日はすごく楽しみにしてた日でした。でもやっぱり実際闘ってみて、東京女子の顔というか…エースって呼ばれてる選手はこんなにも強いんだなって思い知らされたというか。私もいつか、何年かかるか分かんないけど…いつかは東京女子のエースって言ってもらえるような選手になりたいって夢があるので。その壁が高いほど、難しい夢かもしれないけど…夢が大きいほど燃えるというか、頑張ってやってやるぞって気持ちに今なってるので。また次闘う時は強くなった姿で、いつか山下さんみたいに東京女子のエースって言ってもらえるような選手になれるように練習頑張って闘っていきたいと思います。
――今の全力は出せた?
上原 そうですね。でも、全力は出したんですけど…山下さんのすごいところって闘う前から気迫がすごくて。一瞬、怖気づきそうな時もあったんですけど、お客さんの声がすごい…応援してくださる「わかなー!」って声が聞こえてきて。そこで気持ち切り替わって、今日は全部ぶつけられたかなとは思います。
セミファイナルは辰巳リカとザラ・ザッカーのシングルマッチ。先日の後楽園ホールで高い評価を得たザッカーはこの日もリカを相手に躍動。リカの友好的な握手を拒否してショルダーアタックをぶち込むザッカーは逆水平連打からハーフダウンのリカにドロップキック。さらにコブラツイストで絞めあげる。これを丸め込みで回避するリカ。ザッカーはよっしゃいくぞ!エルボーもかわして、その場跳びのムーンサルトを発射。苦しいリカはここで首絞め。さらにドラゴンスクリューでぶん回していく。リカはザッカーの右足を鉄柱にぶつけ、さらにエプロンで右足目掛けてドロップキック。リングに戻して足4の字を極めていくリカ。ロープに逃れたザッカーはツイスト・オブ・フェイトを堪えるとポップアップ式の投げ捨てパワーボム。飛びヒザ、エルボー、ジャーマンのコンボ。コントロールZはリカがかわしてドラゴンスリーパー。ザッカーは自力で跳ね返してラリアット。ザッカーがリカの攻撃をバック転でかわしてすぐさまRKOで飛びつかんとするもリカがかわす。ザッカーが不用意に出した足をリカがキャッチしてドラゴンスクリュー。足4の字に持ち込んでギブアップ勝ち。
【試合後コメント】
リカ いやぁ…ザラちゃん、最初はひどい目にあわされたんですけど、でもなんとか無事に勝利できたし。試合後はちゃんと仲良くなれたのかなって思ってます。国際交流ができたなって嬉しい気持ちです。それに試合もザラちゃんは動きも素早いですし、パワーもフィジカルもなんてすばらしい選手って思って、またぜひ日本に来て一緒に闘いたいなって思ってます。また来てほしいです。ありがとう、ザラちゃん!
――友達になれた?
リカ なれました。やっぱり試合を通して通じ合うものがあったので。握手もちゃんとできたし、友達がまた増えて私がハッピーです!
ザッカー 今日は勝てなかったけど、大きな問題ではないわ。また次のチャンスがあると確信してます。この機会をくれたTJPWには感謝してもしきれないし、またここに戻ってきたいです。
――あらためて日本で2試合やってどうだった?
ザッカー ひとつの夢が叶ったと思ってます。この地球上で日本の女子プロレスラーっていうのはとても素晴らしい技術を持った人たちで。こうやってプロレスを始めて数年で日本で闘えるっていう機会を得られたことは、すごく素晴らしい経験値になったと感じています。
メインイベントは中島翔子&ハイパーミサヲvs渡辺未詩&宮本もかのタッグマッチ。中島に大量の紙テープが飛ぶ。中島がローンバトルもカウンターでドロップキックをもかに決めてようやくピンチを脱出。もかがボディースラムを決めると未詩がパワーで圧倒。ミサヲはヒザ蹴りから中島が未詩ともかを場外に出してトペ・コンヒーロ。中島が羽根折り固めも未詩がそのまま立ち上がって脱出し、ベアハッグからバックブリーカー。ジャイアントスイングは中島が抵抗も、未詩がカウンターで開花式ジャイアントスイングへ。中島と未詩がエルボーの打ち合い。中島の619を回避した未詩がパワースラム。もかが出てきて正拳突き。さらに中島のフランケンシュタイナーをこらえて羅生門。抜け出されるとゼロ戦キックを放つがカウント2。鴻臚館は中島が投げっぱなしノーザンライト・スープレックスで切り返して15分経過。2段式619からトップロープの619へ。カバーは未詩がカナディアン・バックブリーカーでカット。すぐにミサヲが入ってきて未詩にハイパーゴッサムクラッシュ、さらに攻防の中でキングスレイヤー。中島が宮本にダブルアームDDTとミサヲが未詩にハイパミ・リターンズの競演、最後はダイビング・セントーンで3カウント。
試合後は享楽共鳴でマイク。中島「なんとか…なんとか勝ったぞー!」ミサヲ「勝ったぞー!」中島「純血になった県民と、4分の3新潟県民です。新潟の平和、守れたかなぁ。この2人、後輩だけど渡辺未詩は両国国技館でベルトに挑戦するし、宮本もかもめちゃくちゃ強い後輩なんです。でもでも私たち、まだまだ後輩に負けるわけにいかねえから…次やってもお前たちには絶対負けねえ。私たちだって成長してるってところをコイツらに見せてやりましたよ。(未詩&宮本に)でも今日はありがとう。強かった。なんだか毎回毎回命がけの試合が多くなってきてね、そのたびに私は東京女子プロレスってでっかくなってるんだなって、そんなことを実感してます。あらためて今日会場にお集まりいただいた親戚の皆さん、お前たちは私の親戚だ。ホントにありがとう! 今年はなんだか思ってる以上に雪も少なくて、道路もすっごい乾いてるし、ビックリしちゃったんですよ。スキー場つぶれないかなとか。でもね、新潟って厳しい厳しい冬を乗り越える越冬魂でみんな、いままでずーっと生きてきたと思ってます。私はいま東京で活動してるけど、その越冬魂だけはどんなつらい時も忘れずに生きていこうっていうのは自分のモットーで、その気持ちはいまもずっと大事にしてます。今年は小雪だったけど来年大雪が降っても、みなさん頑張って越冬してください。ホントにみなさん、また私たちに会いに来てくれるとすごくすごくうれしいです。あらためてミサヲもホントにありがとう」ミサヲ「ありがとう。ここにいるみなさん全員中島翔子の親戚であり、享楽共鳴の仲間だー! 認定しました」中島「この調子で、なんだかとんでもないカードが両国国技館で組まれたらしいぞ」ミサヲ「絶対に勝たないと私の新車が…」中島「パワーアップだな」ミサヲ「絶対勝とう。マジで勝とう」中島「絶対に勝つぞー! 今日はありがとうございましたー!」
【試合後コメント】
中島 新潟守りました!
ミサヲ 享楽共鳴が新潟の愛と平和を守ったぞー!
中島 でも私は今日が序章に過ぎないということを知りました。なぜなら3月31日両国国技館、マックス・ジ・インペイラーとアジャコングさん、いやアジャコング! コイツらと試合をすることになりました。どっちが最強の怪獣か決着をつけようというそんな気持ちです。こっちには最強のヒーローもいるんだからな!
ミサヲ 私、絶対に負けるわけにはいかないんです! 私、1月に皆さんの手を借りて総額…大きな声では言えないんですけど200万(円)ぐらいかけて新車のハイパミドラマティックドリーム号を作ったのに、この試合で負けたらどんなことになるのかわかったもんじゃないので、指一本触れさせませんよ!
中島 あの自転車にはみんなの気持ちがこもってんだよ!
ミサヲ そうだぞ! それにまだ私が出してない秘密兵器というか秘密機能があるので、指一本触れさせずにあの2人を倒してやりますよ。
中島 やってやるぜ! 覚悟しとけよ!
ミサヲ 覚悟しとけよ!
中島 逆に覚悟しとけよ!
――中島選手は半年ぶりの凱旋興行でしたが。
中島 ミサヲと一緒だと私も頭のネジが2、3本飛んで、もっともっと何か楽しんでやろうという気持ちが強くなっちゃうから、ついつい応援されないようなことをしちゃったりするかもしれないんだけど、私はそこも含めて享楽共鳴のプロレスは最高に楽しいって今日実感できました。
――前回は見に来た人はみんな親戚だとおっしゃってましたが。
中島 親戚であり、今日は享楽共鳴で勝利したので、享楽共鳴の大チームの結成になりました。
ミサヲ 見に来た人全員享楽共鳴の仲間になりました。
――全員でアジャ&インペイラーを倒す?
中島 そうです。ここに住んでいる人は元気玉を送るか、ぜひ来てほしい。そんな気持ちです。
ミサヲ 来てください!