オープニング
らくが今日気になるのは電車ではなく、まさかのハチ公バス・夕やけこやけルート!アプガプロレスはアッパーチョップ!
難波小百合リングアナが観戦上の注意事項をアナウンスしてから、大会終了後の物販は浅草橋ヒューリックホールに移動して行うことを説明。なお、この日もWRESTLE UNIVERSEの英語実況はクリス・ブルックスとバリヤンアッキが務める。そしてアップアップガールズ(プロレス)が登場。今日らくが気になる電車…ではなくバスはハチ公バス・夕やけこやけルート。『アッパーチョップ!』を歌ってからオープニングコールから、滝川あずささんのナレーションによるオープニングVTR。
オープニングマッチ 15分一本勝負
握手を交わしてから試合開始。ロックアップから腕の取り合いに。ヘッドロックでグラウンドに持ち込んだ山下は、そこからフライングメイヤーで投げてサッカーボールキック。フェースロックで追い込んだ山下は、苦しそうに立ち上がってきたもかに容赦ないミドルキック。もかも蹴り脚をキャッチしてエルボーを返すと、山下の腕を掴み、引っ張ってのバックエルボーからボディスラム、そしてゼロ戦キック。くし刺しバックエルボーからボディスラムを狙ったもかだが、山下は逆にガットバスターで叩き付ける。完全に動きが止まったもかに対し、一気にアティテュード・アジャストメントを狙った山下だが、もかも必死に脱出。エルボーで向かっていくもかだが、前蹴りで吹っ飛ばした山下はくし刺し攻撃。これをかわしたもかは正拳突き。さらにカウンターのゼロ戦キックから羅生門。しかし下から蹴り上げて脱出した山下は、ニーリフトで顔面をカチ上げるとリターンクラッシュ。これは当たりが浅かったが、間髪入れず右ハイキックを叩き込むと、一気にアティテュード・アジャストメントで山下が貫禄勝ち。
第二試合 20分一本勝負
いつものようにマイクを要求したハイパミは、今日のパートナーがマスクマン第2号の鳥喰ということで「きっと私に憧れて東京女子に入ってくれたんだよね」と言うと、今日は私の背中をしっかり観てくれと謎に自信満々。そんなハイパミは先発を買って出ると、のどかに握手を求めておいて、応じたところにガットショット。怒ったのどかはショルダータックルからストンピング。するとハイパミは「後輩が見とるんや! 今日は私に花を持たせてくれないか?」と懇願。のどかが躊躇しているところに、またしても攻撃を仕掛けていったハイパミだが、これに激怒したのどかはコーナー下でハイパミにヒザを押し付けていく。しかしレフェリーの視線を反らしておいてのどかにスプレー攻撃。さらにレフェリーが見ている前でマントを使ってのチョーク攻撃とやりたい放題。続いてユキが鳥喰の腕を固めていくが、ロープに飛んだ鳥喰はトリッキーな動きで翻弄。そこから握手を求めた鳥喰はユキが応じたところに、ガットショットをしているが、あっさりキャッチされてしまう。チンロックからリバーススプラッシュを狙ったユキだが、ハイパミがエプロンからマントで絞めて阻止。さらに鳥喰にスプレーを渡して反則攻撃を促すが、自身の首にスプレーを噴射してダメージを癒してしまう天然さを発揮。それでもなおハイパミはマントを鳥喰に渡すが、鳥喰は自らにマントを装着するとヒーローっぽくなる。だが、そのマントを剥ぎ取ったユキはのどかにタッチ。爆シスはランニング・ボディプレスを同時投下。ヘッドロックで絞めあげたのどかはショルダータックル。鳥喰もカウンターの飛び蹴りを返してハイパミにタッチ。アッパーカットエルボーを連打したハイパミははハイパーゴッサムクラッシュ。さらにランニング・クロスボディーでのどかを追い込むが、のどかもショルダータックルでなぎ倒すとユキにタッチ。爆シスはなかよしを投下。しかしハイパミもユキにアッパーカットエルボーを返す。ランニングニーをかわしたユキはダイビングショルダー。ハイパミも旋回式ハイパーゴッサムクラッシュを返して鳥喰にタッチ。カウンターのアームドラッグで投げた鳥喰はローリングソバット。さらにバック転キックを叩き込むと、ロープに飛び乗り、捻りを加えたセントーン。これをかわしたユキはサイドスープレックスで投げるとフルネルソン。愛と炎のフルネルソンにスイッチするとハイパミがカット。のどかも入ってきてポップアップ式バックフリップでハイパミを排除。鳥喰の飛び蹴りをかわしたユキはショルダータックルからヴィーナスDDTで叩き付けて3カウントを奪った。
第三試合 20分一本勝負
上福と魅星の先発で試合開始。いきなりサミングを狙った上福だが、辛くも避けた魅星。上福はヘッドロックに捉えていくが、抱え上げた魅星が逆にヘッドロックでグラウンドに持ち込む。しかし上福は長い足でヘッドシザース。さらに魅星が首を抜いたところにサミング。続いて未詩が真弥にショルダータックル。真弥もエルボーを返すが、未詩はショルダータックルでなぎ倒して鈴芽にタッチ。くし刺しドロップキックを叩き込んだ鈴芽だが、真弥はボディスラムで叩き付けて上福にタッチ。コーナーに追い込んで顔面を踏み付けた上福は、ステップオーバーのトーホールドから変形のサーフボードストレッチ。さらに鈴芽のツインテールをまるでバイクを運転するかのように掴んでいく。これを真弥が注意するが、上福はそんな真弥にカニ挟みで倒して鈴芽にぶつける。そこから猫がおにょんぽから引っ掻き攻撃。この攻撃も注意しつつ、鈴芽の上で正座した真弥はパートナーの反則攻撃を謝罪。しかし鈴芽はドロップキックを返すと魅星にタッチ。ロープで勢いをつけてのショルダータックルからくし刺しバックエルボーを見舞った魅星は、ハーフダウンの真弥にショートレンジラリアット。続くエルボードロップをかわした真弥はランニングエルボーを返して上福にタッチ。魅星はドロップキックを叩き込むと、エルボーの打ち合いに。そこからボディスラムで叩き付けた魅星はラリアットを狙う。これをかわした上福は卍固め。そこから自らの手で自分の足首を掴む独特なクラッチにスイッチしたが、魅星はロープに脱出。ならばと逆水平チョップからドロップキックを叩き込んだ上福はフェイマサーを狙う。これをかわしてバックドロップで投げた魅星は未詩にタッチ。猫が飛び込んで来てバックエルボーから引っ掻きテーズプレスを投下するが、ベアハッグで捕まえた未詩はコーナーに叩き付ける。ジャイアントスイングを引っ掻き攻撃で阻止した猫はネコードブレイカーを狙うが、未詩はキャッチしてそこからボディスラム。今度こそ猫をジャイアントスイングでブン回してみせた未詩は、カナディアンバックブリーカー。上福がカットすると、鈴芽も入ってくるが、真弥が鈴芽を抱え上げたところに上福がビッグブーツ。そのまま真弥がスパインバスターで叩き付ける。しかし魅星がダブルラリアットで上福と真弥を排除する。その間に猫が未詩を丸め込む。さらに猫缶ラニャからジャンピング・ネッコブリーカーで追い込むが、レーザービームを返した未詩はティアドロップで猫を仕留めた。
第四試合 20分一本勝負
握手を求めるヒカリ&有栖だが、美軍は応じない。メイ・サンと有栖の先発で試合が始まるなり、おぼんで殴りかかるメイ・サンだが、うまくおぼんを奪い取った有栖。しかしその行為に対してヒカリが「分かんないけど、ヤバイかも」と危惧していると、背後からメイ・サンが忍びる。気付いていなかった有栖がビックリしておぼんを離してしまうと、メイ・サンはおぼんの上に有栖を乗せてグルグル回転させると、フェースクラッシャーでおぼんの上に顔面を叩き付ける。沙希様は控えのヒカリにビッグブーツを叩き込んでから、有栖にサッカーボールキック。メイ・サンはボディシザースからダイヤル固めで回していく。さらに有栖のほっぺたをつねってから沙希様にタッチ。長い足で有栖の顔面を踏み付けた沙希様は、YSLに捉える。ヒカリがカットするが、怒った沙希様はヒカリを場外に追いやる。有栖がエルボーで向かっていくが、沙希様は涼しい顔。ならばと渾身のエルボーからドロップキックを返した有栖はヒカリにタッチ。低空ドロップキックを連打したヒカリだが、沙希様は追走式ビッグブーツ。ヒカリも追走式ドロップキックを返すが、トラースキックをキャッチした沙希様は変形のニーロック。さらにくし刺し式ビッグブーツ。ヒカリも蹴りをかわしてトラースキックを叩き込むが、沙希様は返す刀でビッグブーツ。メイ・サンがダブルニーからボトムロープを回転しながら渡ってのダブルニーを投下。メイ・サンの突進をブリッジでかわしたヒカリは、背後に回って回転足折り固め。だが、エプロンから沙希様がヒカリの髪を掴む。ならばと有栖もエプロンからメイ・サンを掴むが、逆にメイ・サンが有栖の手を掴んでレフェリーに反則をアピール。レフェリーが有栖を注意している間に、美軍は沙希様の薔薇攻撃とメイ・サンのおぼん攻撃をヒカリにお見舞い。だが、ヒカリもうまくメイ・サンにドロップキックを食らわせ、おぼんを沙希様に誤爆させると有栖にタッチ。メイ・サンに鶴ヶ城からキャメルクラッチを決めた有栖だが、メイ・サンはどうにかロープに脱出。しかし有栖のドロップキック、ヒカリがエプロンからドロップキック、有栖がミサイルキックと畳みかける。ここで沙希様が入ってきてヒカリにビッグブーツを叩き込み、有栖をブレーンバスターで投げる。しかしヒカリがメイ・サンにミサイルキックを返すと、有栖はコーナーからの鶴ヶ城を狙う。これをメイ・サンが回避すると、沙希様が飛び込んできてカウンターのミドルキック。さらにメイ・サンが沙希様のアシストを受けてフットスタンプを投下。ヒカリが有栖の救出に入ってくるが、タルト・タタンで返り討ちにされてしまう。メイ・サンは孤立した有栖をサン=ミッシェルで仕留めてみせた。
セミファイナル 20分一本勝負
東京女子のリングでAEW参戦経験のある坂崎とアジャの対戦が実現。はしゃぐ坂崎組を見て「だいぶ変だよ! 変な奴しかいないのかよ!」と愚痴るアジャ。珍しく握手を求める坂崎組に戸惑いながらも握手しに行ったリカたちだが、そこに襲いかかった坂崎組。うまく切り返そうとしたリカ組だが、敢えなく同士討ちに。さらにぽむがアジャにスネ蹴りを見舞って、リカ組を全員場外に出すと、マジラビがコーナーからプランチャを同時投下。さらにぽむがエプロンからダイブするが、アジャがあっさり迎撃。ぽむをリングに戻したアジャは腹や胸に張り手。ダブルチョップから空手ポーズを決めると、らくにタッチ。ここでリカ組が全員出てきておやすみエクスプレス。どうにかカウント2で返したぽむだが、らくがブレーンチョップを連打。リカが控えの選手を攻撃していくが、やっぱり瑞希だけは攻撃出来ない。するとアジャを引っ張り込んできて「あー、よっしゃ、いくぞ!」と一緒に叫んでから、エルボードロップを同時投下。さらにリカはアジャをボディスラムでぽむに投げつけようとするが、上がらないのでアジャが逆にリカをぽむの上に投げつける。ボロボロのぽむにマリカがマシンガンチョップからシットダウンコブラ。マリカのくし刺し攻撃をかわしたぽむは、飛び付きアームホイップを返すと正面飛びドロップキック。ようやくタッチすると、角田がベースボール・スライドからランニング・ビッグブーツ。マリカも回転エビ固めで飛び付くと、ランニング・レッグドロップを投下してリカにタッチ。ヒップアタックからエプロンに出たリカはロープ越しのドラゴンスクリューから、角田のヒザに低空ドロップキック。しかし足4の字を狙ったリカを丸め込んだ角田はコブラクラッチ。ロープに脱出したリカだが、角田はリストクラッチ式コンプリート・ショット。リカも何とかドラゴンバックブリーカーを返すと、アジャにタッチ。ここで坂崎がリングインしてエルボーで向かっていくが、アジャが一発のエルボーで吹っ飛ばす。さらに張り手をお見舞いするが、坂崎も延髄斬りを返すとスライディング・ラリアット。魔法少女スプラッシュを両足を上げて迎撃したアジャは急角度のバックドロップ。カウント2で返した坂崎だが、アジャはダイビング背面エルボードロップ。これをかわして自爆させた坂崎はローリングエルボー。さらに瑞希と同じコーナーに登ってトイストーリーを決めるがカウントは2。マジラビでアジャを持ち上げようとしたが、ダブルラリアットで逆に吹っ飛ばしたアジャはらくにタッチ。ドロップキックからMaxときを決めたらくはコーナーへ。瑞希は攻撃しようとしたが、逆に背後じゃらスリーパーで野花っていったらく。しかし瑞希はどうにか振りほどしたフットスタンプを投下するとフェースロック。マリカがカットするが、角田がDDTでマリカを排除。その角田をリカがヒップアタックで排除し、さらにぽむにはツイスト・オブ・フェイト。瑞希がミサイルキックでリカを排除すると、アジャが一人でマジラビの二人を蹴散らす。さらにらくが瑞希にダイビング・ブレーンチョップからハリケーンターン。辛くもキックアウトした瑞希にらくはドクターイエローを狙うが、どうにか回避した瑞希はミサイルキックを発射。間髪入れずキューティースペシャルで投げて3カウントを奪った。
【試合後のコメント】
瑞希 痛かった……もっともっと(アジャと)やってみたいなって思ってしまいました。(ぽむに)ごめん。
角田 ぽむちゃん、ごめん。
ぽむ ぺちゃんこですよ、ぽむ。
瑞希 でも何回も何回も助けにいってん。
坂崎 見守ってた。
ぽむ って言うじゃないですか! 魅星が『逃げてた』って言ってましたよ!
瑞希 (苦笑)いたよね?
坂崎 (苦笑)ん?
角田 すごい祈り捧げていましたよね。
ぽむ ひどーい、先輩たち!
坂崎 あんなん無理やもん。
角田 私ここに来て初めての後楽園ホール大会でアジャさんと試合させていただいて一斗缶で殴られて、今日こそ絶対に食らわないって思ったら一斗缶なかったんですよ(苦笑)。昨日もあったから絶対今日もあると思って対策していったら持ってない。なんか私出てる時、マジラビさんが「いいぞ!」「よくやった!」ってめっちゃ言ってくれるから、頑張れた(笑)。後輩あげ上手な先輩でした。
坂崎&瑞希 おい!
瑞希 大人!
角田 楽屋でやってください(苦笑)。
瑞希 でもね、アジャさんは強かったけど、勝ったのでね。
坂崎 やってくれてありがとな。
瑞希 ユカっちがあそこまで追い込んでくれたから。
坂崎 いやいや何も敵わんわ。
瑞希 瑞希もらくちゃん仕留めてやるって思っている時、「ユカっち、アジャさんを!」って心の底から思ってて(笑)。
角田 私たち何度も押さえてましたよね。何度も押さえたんですけど、無理です。
坂崎 ひと動きされただけで弾けちゃう。
角田 いやでも勝ってくれたので。
アジャ いい感じでいったと思ったんだけど、最後助けにいこうと思ったら3人ぐらいでぶら下がってるの。
リカ アイツらイカれてるんですよ。
アジャ 一個聞いていいかな? 東京女子ってマトモな人いる?
リカ います、私!(即答)
マリカ (自分を指して)います、います!(即答)
らく (挙手して)マトモです。
アジャ ……あぁ、そう。まあまあ、この2人がマトモだっていうのはわかったんだけど、あまりマトモな人にあったことがないくて。(らくに)今日はマトモだって言ってたよね?
らく はい(即答)。
アジャ ……あぁ、マトモな部類に入るのかな?
らく 入ると思います(即答)。
アジャ あ~じゃあ、そういうことらしいんですけど。今日は完全におやエクで終わったと思ったら権利がなかったのでダメだったらしいです。
リカ 入ってましたよね。
アジャ あれで入っていたら終わっていたんだけどね。なんかごめんね。ダブルとか言われてもわかんないからさ。あんなのでよかったのかわからないけど……。
リカ 最高でした!
アジャ いい感じの連係もできていたのでチームワークはこっちのほうが上だったと思うんですけど。
マリカ チームワークは抜群でした、マジで。
リカ レギュラーなみにたくさん参戦してくださって。
アジャ いやいや。
リカ 私もずっと一緒に試合がしたかったので。
マリカ 私もずっとしたくて。
リカ たくさんたくさん吸収させていただきました。
アジャ マトモな人がいるってことがわかっただけでも今日は収穫だったかなと。
リカ&マリカ やったー!
アジャ 昨日も今日も楽しかったですけど、坂崎だけはちょっとだけガッツリいきました。ここを引っ張るエース格の一人ではあるので、見てみたいなと思ったので。でも頭蹴飛ばすのはダメだよね。
マリカ 頭よくないです。
アジャ まあこういうのでいろんな可能性が見えればいいんじゃないかなと思います。何より東京女子は楽しまさせていただいて、35年目にしていろいろ勉強できるので、また何かあったらよろしくお願いします。
リカ 次は対角でお願いしまーす!
メインイベント 時間無制限一本勝負
Ameba presents第8回東京プリンセスカップ決勝戦
※伊藤が東京プリンセスカップ初優勝。
第8回東京プリンセスカップの決勝に勝ち上がってきたのは、2度目の優勝を狙う中島と、トーナメント準々決勝で顔面を骨折しながらも初優勝を目論む伊藤の二人。伊藤のセコンドには山下と上福、中島のセコンドにはハイパミと坂崎がつく。ガッチリと握手を交わしてかた試合開始。観客に手拍子に頷いた伊藤だが、まずは中島が腕を取って固めていく。ヘッドロックで切り返した伊藤だが、中島がガブっていくと一旦両者離れる。手四つの力比べになると、伊藤が中島の左手を踏み付け、中島の右手の中指を立てていく。そこからサーフボードストレッチに捉えるが、中島はサイドヘッドロックで切り返す。そこからギアを上げた中島はスピーディーなロープワークから伊藤をアームホイップで投げると、コーナーに素早く上がっていく。だが、伊藤も追いかけていってエルボーで中島を止めると、エプロンに出て断崖式DDT。さらに場外でボディスラムで叩き付けると、鉄柵に中島の腰をぶつけていく。中島をリングに戻した伊藤だが、中島はまだエプロンの伊藤にドロップキック。場外に落ちた伊藤にトペを発射した中島は、さらにロープ越しのネックブリーカーからエプロンの伊藤に向かって619。リング内に戻してくし刺しドロップキックからショルダーネックブリーカー。中島はインディアンデスロックから丸め込んでいくがカウントは2。ならばとシーソーホイップでボトムロープに叩き付ける。ヒザをガンガン落としていった中島はチンロック。前方回転ネックブリーカーからバタフライロックと得意技で追い込んでいった中島だが、強引に振り解いた伊藤はエルボーからDDT。しかし中島はタランチュラ式無人在来線固めからダイビング・ライダーキック。これをかわした伊藤は一気に逆エビ固めへ。ロープに逃れた中島だが、伊藤はくし刺しバックエルボーから時間差フェースクラッシャー。スイングDDTでカウント2まで追い込んだ伊藤は、逆エビを狙うがヘッドロックで切り返した中島はそのままコーナーに叩き付けると、ダイビング・ライダーキック。リング中央でバタフライロックに捉えた中島は、そこから無人在来線固めにスイッチ。しかし伊藤の足がロープに届く。伊藤はロープを駆け上がってのスイングDDTを決めると逆エビ固めへ。15分が経過し、リング中央からなかなか動けない中島。しかし伊藤が伊藤パニッシュにスイッチしようとしたところをウラカンで丸め込んだ中島は、キックアウトされたところでノーザンライト・スープレックス。しかし腰のダメージでブリッジが崩れてしまう。ならばとコーナーに登った中島はダイビング・セントーンを投下。かわした伊藤は飛び付き高角度DDTからコーナーへ。しかし追いかけていった中島は雪崩式フランケン。ここでダブルダウンとなるが、両者マットに座り込んだままエルボーを打ち合う。伊藤が怒濤の連打から咆哮するが、中島も座り込む伊藤に上から打ち降ろす連打。しかし渾身のエルボーを肘へのヘッドバットで迎撃した伊藤は、ヘッドバットからDDT。絶叫しながらコーナーに登っていった伊藤はフライング・ビッグヘッド。これをかわして自爆させた中島も絶叫すると、ダブルアームDDTからノーザンライト・スープレックス。しかしカウント3寸前で伊藤は肩を上げる。グッタリと倒れ込んだ伊藤を起こした中島だが、伊藤は中指を突き立てる。そこに顔面ナックルを叩き込んだ中島だが、伊藤も逆さ押さえ込みから伊藤パニッシュに。中島の体がくの字に曲がるが、何とかロープに辿り着く。天に向かって咆哮した伊藤だが、中島はカニ挟みから619。これをキャッチした伊藤は、リング中央に引きずって伊藤デラックス。これで中島はついにギブアップ。伊藤が第8回東京プリンセスカップ優勝となった。
エンディング
「ハッピーエンドって絶対存在すると思う! だって伊藤麻希が伊藤麻希のハッピーエンドを今すごい実感してるから」という伊藤が、10・9大田区大会で山下の持つプリプリ王座挑戦へ
折れている顔面を抑えながらの勝ち名乗りを受けた伊藤は、リング下の中島とガッチリ握手。坂崎の肩を借りて引き上げる中島には万雷の拍手が送られた。優勝カップと勝利者賞のパネルを受け取った伊藤は、ようやく笑みを浮かべるとカップを大事そうに抱きしめて渾身のガッツポーズ。そしてマイクを持つと「優勝しました! ありがとう。長かったここまで、ホントに。伊藤さ、何か別に不幸自慢じゃないけどさ、ずっと踏んだり蹴ったりの人生を歩んできたわけ! 何かさ、何でもかんでも成功しているように見えるかもしれないけど、いろいろあったんだよ! アイドルクビになったりとか、小顔整形しても全然小顔にならなかったりとか、借金とかいっぱい背負ったし! 何ならトーナメント中に顔面骨折するしさ! でもこんなことってあるんだなって思ったの……。こういうことあまり言いたいないけど、でもハッピーエンドって本当にあるんだなって思った。これはさ、中島翔子にとってのハッピーエンドじゃなかったかもしれない。瑞希にとってのハッピーエンドじゃないかもしれない。でもバットエンドなんかなくてさ…それはただの物語の途中なだけであって、ハッピーエンドって絶対存在すると思う! だって伊藤麻希が伊藤麻希のハッピーエンドを今すごい実感してるからね! 本当に皆さん、応援してくれてありがとうございました!」と喜びの弁。そして山下をリングに招き入れた伊藤が「伊藤さ、山下実優のことそんな好きじゃなかったの。でもさ、2021年入って1月4日にここ(後楽園ホール)でシングルマッチした時、何かあれから全部伊藤のプロレス人生が変わったっていうかさ。オマエと出会って本当によかったなと思って。何かオマエに人生狂わされているんだよ今! いい意味で! うん、いい意味で。本当にいつもありがとう!」と言うと、山下は「伊藤おめでとーー! 本当に嬉しい。でもこのトーナメントで伊藤のことを応援していたのは、仲間としてだけじゃなくて優勝したオマエとやりたいことがあるから」と言って、Tシャツをめくってその下に巻いていたプリプリのベルトを見せる。山下から「伊藤、このベルトを懸けてシングルマッチやろうよ」と言われた伊藤が「当たり前だよ」と即答すると、山下は「(10・9)大田区総合体育館で決まり!」と横断幕を指差しながらタイトルマッチを約束。その上で山下は「ひとつ聞きたいことがある。オマエはこのベルトを懸けて闘う覚悟出来てるのか?」と尋ねる。伊藤がいざ答えようとすると、山下はマイクを取り上げて「あるよな、覚悟な! 121000000として一緒に闘って、オマエとシングルマッチ何度もやってきたけど、オマエに覚悟があることぐらい私が一番分かってんだよ! でもね伊藤、世界一このベルトが似合うのは私なんよ。絶対負けないから」と言って、伊藤と睨み合うと一人リングから下りていった。伊藤は「よし。OK。じゃあ伊藤麻希、第8回東京プリンセスカップ編はハッピーエンドで終わったっていうことで、次は伊藤麻希vs山下実優編のスタートだね! そして東京女子プロレスは10月9日大田区総合体育館編に突入! よし、みんな! 全員まとめてついてこいよ! そしてな、いいか! 世界一可愛いのは? 伊藤ちゃーーーん! ありがとうございました!」と叫んで、第8回東京プリンセスカップを締めた。
【試合後のコメント】
伊藤 人って幸せになれると変わるんですね。私、ずっと報われない人生ばかり歩んできたので、人の幸せとかよく妬んでいたんですけど。なんかいますごくいま晴れやかな気持ちがします。それはでも、勝ったから言えることなんだろうなって思う。勝つまではすごく苦しかったし…怖かったよ。顔もすごく痛かったし。でもあきらめなくてよかったな。ホントはさ、もうダメなんじゃないかなとか思ったんだよね。顔面骨折して優勝したらかっこいいだろ!って強がって言っちゃったけどさ、でもやっぱりホントは伊藤、大事な顔だよ。人生ずっと一緒に歩んできた顔だからさ、一生ものの傷負いたくないよって思ったんだよ。でも、昨日も言ったけど、伊藤の人生なんてとっくのとうに棒に振ってるからもういいやって。お客さんが楽しんでくれたらそれでいい。その選択を取ってホントに良かった。伊藤はいままでいっぱい間違った人生歩んできたなって思ってたけど、でも伊藤の人生なに1つ間違いはなかった。伊藤は全部正解だった。こうやって歩んできた人生、全部正解だった。だからみんなもあきらめないで。あきらめないでって簡単に…言えるよ。言えるんだけど、すっごく苦しい時はさ、ホントに死にたいって思っちゃうよ。分かるよ! 伊藤もずっとそうだったよ。でも…大丈夫だよ。試合終わって言ったけどさ、伊藤、バッドエンドなんかないって思ってるよ。物語の途中なだけだよ。大丈夫だよ、みんな。前を向いて。向けなかったら伊藤のプロレス見て。自分のペースで生きていって。大丈夫だから、絶対に焦らなくていいから。っていうことを、伊藤はなんか今日伝えたくなりました。
――大田区でのタイトルマッチが決まりました。
伊藤 ずっと前々から言ってたけどさ、山下とはまだシングルマッチしたいって思ってたの。勝ったことがなかったからね。でも、このトーナメント優勝してさ、瑞希破って、中島翔子破って。なんか、過去イチ自信はあるよ。だし、山下が自分から大田区でやろうって言ってくれたことがホントに嬉しくて。山下のことを信じてホントによかったなって思った。山下のおかげでいろいろ救われてるところもあるから…ああ、今日泣いてばっかりだな。そう、山下とやれることがホントに楽しみ。何も怖くないよ。
――豪雨が九州を襲っているこのタイミングで福岡出身者同士のタイトル戦が決まりましたが。
伊藤 ディスティニーですね、これは。九州さ、すっごい災害が多いんだよね。ずーっと災害に見舞われてるから、(勝利者賞を指して)これお金とかもらえるのかな? 寄付しようかな、もらえたら。伊藤最近ちょっと財布潤ってきたから、やれることだったらやろうかな。“東京”女子プロレスだけど、伊藤ちゃんと福岡も九州も愛してるからね。ホントによかった。ここまで頑張ってきて。
中島 うーん……今年は自信があったので…なんて言うんですかね…。この試合は耐えきれば勝ちだと思っていたので、自分が耐えられなかったのがホントに悔しいです。伊藤を見てると、ホントに自分が何もできないような気持ちになるので。彼女は私ができないことを全部できるんです。それがホントに悔しくて…前日もあんまりお客さんの支持を得ることができなかったような気がして。でもそんなの全部勝敗でひっくり返してやるって思ってたんですけど、勝てなかったのがホントに悔しいです…。
山下 伊藤が優勝しまして。ホントに昨日からの2連戦で、瑞希との試合だったり中島との試合だったりで。単純に瑞希の強さも中島の強さも分かってるからこそ、伊藤の強さっていうのがあらためて優勝して分かって。でも、優勝した伊藤とこのベルトを懸けてタイトルマッチをしたいって思ってたので、ホントにリングの上でも言いましたけど、121000000として応援してただけじゃなくて、優勝してほしくてっていう気持ちで。最高の状態でこのベルトを懸けて闘えるって言うのがすごく楽しみですし、昨日今日と毎度ながらめちゃくちゃ刺激貰ってるので。まぁ、簡単な相手じゃないですけど、しっかりチャンピオンの私が大きい舞台で堂々と勝てるように。10月まで鍛えていきたいなと思います。楽しみです。
――大田区まであと2ヵ月あるが、それまではパートナーではなく相手として闘いたい?
山下 そこの切り替えって、けっこう私はできる方なので。伊藤に対して闘うって気持ちが悶々としてるというか、欲がすごい高まってきているので。タッグとしてみると…ちょっともしかしたら難しいかもしれないですけど。でも、すごく楽しみにしてて、すごくいまワクワクしてます。